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文章字数: | 字 (由Word统计) | 文章格式: | Doc.docx (Word) | 更新时间: | 2017-11-28 |
译文:雪国
穿过县界长长的隧道,便是雪国。夜空下一片白茫茫。火车在信号所前停了下来。
一位姑娘从对面座位上站起身子,把岛村座位前的玻璃窗打开。一股冷空气卷袭进来。姑娘将身子探出窗外,仿佛向远方呼唤似地喊道:
“站长先生,站长先生!”
一个把围巾缠到鼻子上、帽耳聋拉在耳朵边的男子,手拎提灯,踏着雪缓步走了过来。
岛村心想:已经这么冷了吗?他向窗外望去,只见铁路人员当作临时宿舍的木板房,星星点点地散落在山脚下,给人一种冷寂的感觉。那边的白雪,早已被黑暗吞噬了。
“站长先生,是我。您好啊!”
“哟,这不是叶子姑娘吗!回家呀?又是大冷天了。”
“听说我弟弟到这里来工作,我要谢谢您的照顾。”
“在这种地方,早晚会寂寞得难受的。年纪轻轻,怪可怜的!”
“他还是个孩子,请站长先生常指点他,拜托您了。”
“行啊。他干得很带劲,往后会忙起来的。去年也下了大雪,常常闹雪崩,火车一抛锚,村里人就忙着给旅客送水送饭。”
“站长先生好像穿得很多,我弟弟来信说,他还没穿西服背心呢。”
“我都穿四件啦!小伙子们遇上大冷天就一个劲儿地喝酒,现在一个个都得了感冒,东歪西倒地躺在那儿啦。”站长向宿舍那边晃了晃手上的提灯。
“我弟弟也喝酒了吗?”
“这倒没有。”
“站长先生这就回家了?”
“我受了伤,每天都去看医生。”
“啊,这可太糟糕了。”
和服上罩着外套的站长,在大冷天里,仿佛想赶快结束闲谈似地转过身来说:“好吧,路上请多保重。”
“站长先生,我弟弟还没出来吗?”叶子用目光在雪地上搜索,“请您多多照顾我弟弟,拜托啦。”
她的话声优美而又近乎悲戚。那嘹亮的声音久久地在雪夜里回荡。
火车开动了,她还没把上身从窗口缩回来。一直等火车追上走在铁路边上的站长,她又喊道:
“站长先生,请您告诉我弟弟,叫他下次休假时回家一趟!”
“行啊!”站长大声答应。
叶子关上车窗,用双手捂住冻红了的脸颊。
这是县界的山,山下备有三辆扫雪车,供下雪天使用。隧道南北,架设了电力控制的雪崩报警线。部署了五千名扫雪工和二千名消防队的青年队员。
这个叶子姑娘的弟弟,从今冬起就在这个将要被大雪覆盖的铁路信号所工作。岛村知道这一情况以后,对她越发感兴趣了。
但是,这里说的“姑娘”,只是岛村这么认为罢了。她身边那个男人究竟是她的什么人,岛村自然不晓得。两人的举动很像夫妻,男的显然有病。陪伴病人,无形中就容易忽略男女间的界限,侍候得越殷勤,看起来就越像夫妻。一个女人像慈母般地照拂比自己岁数大的男子,老远看去,免不了会被人看作是夫妻。
岛村是把她一个人单独来看的,凭她那种举止就推断她可能是个姑娘。也许是因为他用过分好奇的目光盯住这个姑娘,所以增添了自己不少的感伤。
已经是三个钟头以前的事了。岛村感到百无聊赖,发呆地凝望着不停活动的左手的食指。因为只有这个手指,才能使他清楚地感到就要去会见的那个女人。奇怪的是,越是急于想把她清楚地回忆起来,印象就越模糊。在这扑朔迷离的记忆中,也只有这手指所留下的几许感触,把他带到远方的女人身边。他想着想着,不由地把手指送到鼻子边闻了闻。当他无意识地用这个手指在窗玻璃上划道时,不知怎的,上面竟清晰地映出一只女人的眼睛。他大吃一惊,几乎喊出声来。大概是他的心飞向了远方的缘故。他定神看时,什么也没有。映在玻璃窗上的,是对座那个女人的形象。外面昏暗下来,车厢里的灯亮了。这样,窗玻璃就成了一面镜子。然而,由于放了暖气,玻璃上蒙了一层水蒸气,在他用手指揩亮玻璃之前,那面镜子其实并不存在。
玻璃上只映出姑娘一只眼睛,她反而显得更加美了。
岛村把脸贴近车窗,装出一副带着旅愁观赏黄昏景色的模样,用手掌揩了揩窗玻璃。
姑娘上身微倾,全神贯注地俯视着躺在面前的男人。她那小心翼翼的动作,一眨也不眨的严肃目光,都表现出她的真挚感情。男人头靠窗边躺着,把弯着的腿搁在姑娘身边。这是三等车厢。他们的座位不是在岛村的正对面,而是在斜对面。所以在窗玻璃上只映出侧身躺着的那个男人的半边脸。
姑娘正好坐在斜对面,岛村本是可以直接看到她的,可是他们刚上车时,她那种迷人的美,使他感到吃惊,不由得垂下了目光。就在这一瞬间,岛村看见那个男人蜡黄的手紧紧攥住姑娘的手,也就不好意思再向对面望去了。
镜中的男人,只有望着姑娘胸脯的时候,脸上才显得安详而平静。瘦弱的身体,尽管很衰弱,却带着一种安乐的和谐气氛。男人把围巾枕在头下,绕过鼻子,严严实实地盖住了嘴巴,然后再往上包住脸颊。这像是一种保护脸部的方法。但围巾有时会松落下来,有时又会盖住鼻子。就在男人眼睛要动而未动的瞬间,姑娘就用温柔的动作,把围巾重新围好。两人天真地重复着同样的动作,使岛村看着都有些焦灼。另外,裹着男人双脚的外套下摆,不时松开耷拉下来。姑娘也马上发现了这一点,给他重新裹好。这一切都显得非常自然。那种姿态几乎使人认为他俩就这样忘记了所谓距离,走向了漫无边际的远方。正因为这样,岛村看见这种悲愁,没有觉得辛酸,就像是在梦中看见了幻影一样。大概这些都是在虚幻的镜中幻化出来的缘故。
原文:雪国
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
内側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落とした。雪の冷気が流れ込んだ。娘は窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように、
「駅長さん、駅長さん」
明かりをさげてゆっくり吹きを踏んできた男は、襟巻で鼻の上まで包み、耳に帽子の毛皮を垂れていた。
もうそんな寒さかと島村は外を眺めると鉄道の官舎らしいバラックが山裾に寒々と散らばっているだけで、雪の色はそこまで行かぬうちに闇に飲まれていた。
「駅長さん、私です、御機嫌よろしゅうございます」
「ああ、葉子さんじゃないか。お帰りかい。また寒くなったよ」
「弟が今度こちらに勤めさせていただいておりますのですってね。お世話さまですわ」
「こんなところ、今に寂しくて参るだろうよ。若いのに可哀想だな」
「ほんの子供ですから、駅長さんからよく教えてやっていただいて、よろしくお願いいたしますわ」
「よろしい。元気で働いてるよ。これからいそがしくなる。去年は大雪だったよ。よく雪崩れてね、汽車が立往生するんで、村も炊出しがいそがしかったよ」
「駅長さんずいぶん厚着に見えますわ。弟の手紙には、まだチョッキも着ていないようなことを書いてありましたけれど」
私は着物を四枚重ねだ。若い者は寒いと酒ばがり飲んでいるよ。それでごろごろあすこにぶっ倒れてるのさ、風邪を引いてね」
駅長は宿舎の方へ手の明かりを振り向けた。
「弟もお酒をいただきますでしょうか」
「いや」
「駅長さんもうお帰りですの?」
「私は怪我をして、医者に通ってるんだ」
「まあ。いけませんわ」
和服に外套の駅長は寒い立話をさっさと切り上げたいらしく、もう後姿を見せながら、
「それじゃまあ大事にいらっしゃい」
「駅長さん、弟は今出ておりませんの?」と葉子は雪の上を目探しして、
「駅長さん、弟をよく見てやって、お願いです」
悲しいほど美しい声であった。高い響きのまま夜の雪から木魂して来そうだった。
汽車が動き出しても、彼女は窓から胸を入れなかった。そうして線路の下を歩いている駅長に追いつくと、
「駅長さあん、今度の休みの日に家へお帰りって、弟に言ってやって下さあい」
「はあい」と、駅長が声を張り上げた。
葉子は窓をしめて、赤らんだ頬に両手をあてた。
ラッセルを三台備えて雪を待つ、国境の山であった。トンネルの南北から、電力による雪崩れ報知線が通じた。除雪人夫延べ人員五千名に加えて消防組青年団の延人員二千名出動の手配がもう整っていた。
そのような、やがて雪に埋もれる鉄道信号所に葉子という娘の弟がこの冬から勤めているのだと分かると、島村はいっそう彼女に興味を強めた。
しかしここで、「娘」と言うのは、島村にそう見えたからであって、連れの男が彼女の何であるか、むろん島村の知るはずはなかった。二人のしぐさは夫婦じみていたけれども、男は明らかに病人だった。病人相手ではつい男女の隔てがゆるみ、まめまめしく世話すればするほど、夫婦じみて見えるものだ。字際また自分より年上の男をいたわる女の幼い母ぶりは、遠目に夫婦とも思われよう。
島村は彼女一人だけを切り離して、その姿の感じから、自分勝手に娘だろうときめているだけのことだった。でもそれには、彼がその娘を不思議な見方であまりに見つめ過ぎた結果、彼自らの感傷が多分に加わってのことかもしれない。
もう三時間も前のこと、島村は退屈まぎれに左手の人差指をいろいろに動かして眺めては、結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている、はっきり思い出そうとあせればあせるほど、つかみどころなくぼやけてふく記憶の頼りなさのうちに、この指だては女の触感で今も濡れていて、自分を遠くの女へ引く寄せるかのようだと、不思議に思いながら、鼻につけて匂いを嗅いでみたりしていたが、ふとその指で窓ガラスに線を引くと、そこに女の片目がはっきり浮き出たのだった。彼は驚いて声をあげそうになった。しかしそれは彼が心を遠く部屋っていたからのことで、気がついてみればなんでもない、向こう側の座席の女が写ったのだった。外は夕闇がおりているし、汽車のなかは明かりがついている。それで窓ガラスが鏡になる。けれども、スチイムの温みでガラスがすっかり水蒸気に濡れているから、指で拭くまでその鏡はなかったのだった。
娘の片目だけはかえって異様に美しかったものの、島村は顔を窓に寄せると、夕景色見たさという風なり旅愁顔を俄かづくりして、掌でガラスをこすった。
娘は胸をこころもち傾けて、前に横わたった男を一心に見下ろしていた。肩に力が入っているところから、少しいかつい眼も瞬きさえしないほどの真剣さのしるしだと知れた。男は窓の方を枕にして、娘の横へ折り曲げた足をあげていた。三等車である。島村の真横ではなく、一つ前の向こう側の座席だったから、横寝している男の顔は耳のあたりまでしか鏡に写らなかった。
娘は島村とちょうど斜めに向かい合っていることになるので、じかにだって見られるのだが、彼女等が汽車に乗り込んだ時、なにか涼しく刺すような娘の美しさに驚いて見を伏せるとたん、娘の手を固くつかんだ男の青黄色い手が見えたものだから、島村は二度とそっちを向いては悪いような気がしていたのだった。
鏡の中の男の顔色はただもう娘の胸のあたりを見ているゆえに安らかだという風に落ちついていた。弱い体力が弱いながらに甘い調和を漂わせていた。襟巻を枕に敷き、それを鼻の下にひっかけて口をぴったり覆い、それからまた上になった頬を包んで、一種の頬かむりのような工会だが、ゆるんで来たり、鼻にかぶさって来たりする。男が目を動かすか動かさぬうちに、娘はやさしい手つきで直してやっていた。見ている島村がいらっ立て来るほど幾度もその同じことを、二人は無心に繰り返していた。また、男の足をつつんだ外套の裾が時々開いて垂れ下がる。それも娘はすぐ気がついて直してやっていた。これらがまことに自然であった。このようにして距離というものを忘れながら、二人は果しなく遠くへ行くものの姿のように思われたほどだった。それゆえ島村は悲しみをみているというつらさはなくて、夢のからくりを眺めているような思いだった。不思議な鏡のなかのことだったからでもあろう。