日本人の家族観の変化―映画『東京物語』と『東京家族』を中心に[日语论文]

要旨

日本はアジアで一番早く現代化になった国として、大きな体制転換を二回経験した。それは１９世紀の明治維新と２０世紀の戦後改革である。したがって、日本家庭制度も外から内へと変わっている。それと同時に、日本の少子高齢化も日々ひどくなってきた。本論文では、社会現実を反映する映画『東京物語』と『東京家族』から切り込み、日本人の家庭観の変遷を分析し、日本社会が面した主な問題を考察する。日本人の家庭観の変遷を検討することが、急速に発展する中国社会および中国の家庭に啓示をもたらすことができると考える。

本論文では日本映画『東京物語』と『東京家族』を比較しながら、第二次世界大戦後から21世紀にかけて日本家族の移り変わりを明確にし、日本人の家族観の変化を見出す。研究テーマの意義、学術前史、研究目的の論述、研究思考などに基づき、本論文ではまず『東京物語』と『東京家族』の社会背景、人物像、人間関係、家族関係などを比較し、分析する。次に映画が伝えてくる二つの時代における異なる家族観念を研究し、討論する。最後に家族観が変化した原因、家族観が社会に与える影響を検討する。

家庭制度の変化のため、人々の社会価値の判断、及び行為指向は変わり、これによってすべての国民の家庭観に影響を与え、それに社会に作用する。本論文は家庭観の研究から切り込み、局部から全体を見て、日本人の家庭観念の変遷、ひいては家庭が社会に対する影響を考察しようとする。

日本の現代家族制度は、現代化国家である日本とお互いに依存関係にある。家族制度の解体により、日本家族の構造と機能がやむを得ず新しい整合と再構築に向かなければならなくなった。そのため、「自由で幸せな家族」を構築することは、現代日本社会が追い求める目標となった。この思想が現在日本家族が直面する新しい問題との関連性は、本論文で探求したいものである。

キーワード　家族観　 映画『東京物語』　映画『東京家族』