「西遊記」と「桃太郎」からみる英雄像の比較[日语论文]

要旨

「西遊記」は仏教の経典を求めに天竺へ行く旅を背景にし、仏教文化を指導思想に、孫悟空が三蔵法師に従って弟子入り四人の物語を述べる作品である。妖怪を退治して、九九八十一難を乗り越えてはじめて成果をあげた。弟子入りの四人では孫悟空が核心として、ずっと困難を恐れず、三蔵法師を救う。一方、桃太郎は桃の中から生まれた力が強い人物である。庶民の幸せな生活のために、猿と犬、雉と一緒に鬼島へ行き、鬼を退治し、勝利を収める物語である。桃太郎も孫悟空も勇敢で善良である。知恵の持ち主であると同時に親孝行である。二人はそれぞれ中国と日本では代表的な英雄だとされている。その二人の性格から中日英雄像が窺われる。桃太郎が自身の劣勢を克服し、強敵を恐れずに弱い力で強い勢力を倒す物語は、まさに日本の性格の中で英雄としての武士の魂と反骨精神の具体化である。桃太郎の物語は桃太郎個人の特筆だけでなく、日本の集団主義の下に隠された個人主義の表れである。それに対して孫悟空は個人の利益より集団主義を重視する。従って孫悟空は集団に対する大きな愛を持って、集団のために自分の利益を犠牲することが多い。これは中国人の平和理念の体現である。中日両国の文化の差異と価値観の異同を体現する。

キーワード： 孫悟空；桃太郎；英雄像；精神