『それから』における代助の自我本位のジレンマ[日语论文]

要旨

『それから』は『三四郎』『門』と並んで夏目漱石前期三部作として有名な小説だ。資産家の二男として裕福な生活を送っている長井代助は三年前に三千代を「義侠心」から平岡に譲る。もう三十歳の代助は何の職業にもつかなくて、「高等遊民」として一戸を構えて優雅に暮らしている。そこへ三年ぶりの三千代と再会した後、ついに自分が三年前に既に三千代を愛していたことに気づく。今回の代助は「自我本位」の考え方を持って、過去の行為を悔いて三千代に愛を告白、三千代も代助の愛を受け入れる。事実を知った父に義絶されている代助は、生活の基盤を失った、職を探しに行くと家を飛び出し、狂気のような赤い世界に呑み込まれていく。

本論は、『それから』における代助の神憑り的な生活スタイルを通して、代助が道義本位から自我本位への意識の転換について分析してみた。

第一章は本論の始めた。

第二章は作者の生涯、小説のあらすじ及び学者たち一人一人違った考えを紹介してみる。

第三章は代助の自己本位の意識を生み出した社会背景について分析してみる。

第四章は代助の自己本位の意識を表現される行為を例解してみる。

第五章は自己本位の意識を持っている代助は現実社会ではどんなジレンマに陥るという方面から研究してみる。

第六章は『それから』の社会意義と歴史価値について分析してみる。

小論にははまだまだ足りないところが多いと思うが、読者が代助の自我本位の意識を認識することに、いささかなりとも役立てば、幸いである。

キーワード：道義本位　　自我本位　　近代社会　　知識人　　根本的な問題