宮崎駿監督作品における自然観をめぐってー『もののけ姫』を中心に[日语论文]

要旨

宮崎駿は、当代日本の漫画作家兼アニメーション映画監督である。二十世紀80年代から、影響力のある漫画とアニメーションを何十本も創作した。彼のアニメーションは、日本国内だけではなく、世界範囲でも好評を博した。その代表作、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュター』『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』、今でも親しまれている。これらの作品は、人間と自然との関係を反省し、人類自身の生存問題を考え、いずれも強烈な社会的責任感に満ちている傑作である。

産業革命の完成につれて、人間の科学文明が著しく発展してきた。人間の力や欲望がどんどん強くなり、それらの欲望を満たすために、人類は自然を勝手に扱い、資源を乱暴に略奪する。その結果、環境問題や社会問題がたくさん現れ、人類は厳しい生存危機に直面するようになってしまった。自然と人間の矛盾衝突も次第に激しくなり、人間と自然とのバランスはもう打ち破られた。現在、自然環境を保護すること、人間と自然との関係を調和すること、人間と自然の共生の道を探ることは、国際社会で重大な問題となっている。日本の国民アニメーション大家である宮崎駿も人類自身の生存発展と自然保護とのバランスはいったいどうなるべきかということをずっと探究している。

『もののけ姫』は、宮崎氏の自然観を最も体現している集大成の作品の一つだと、一般的に思われる。本稿は『もののけ姫』を中心に、宮崎氏の自然観を検討するつもりである。本稿は三つの部分からなっている。第一部分ははじめにと先行研究である。第二部分には『もののけ姫』における典型的なキャラクターと相関のプロットについて分析する。そして、最後は作品から見られた自然観のまとめと今後の課題である。

キーワード：宮崎駿　　もののけ姫　　自然観