夏目漱石の『こころ』に見られる「先生」の恋愛観[日语论文]

要旨

夏目漱石が日本近代における有名な作家であり、日本文学史上、重要な地位を占めている。今日至っても、漱石の作品が日本人だけではなく、世界中の文学愛好者たちに愛読されている。

『こころ』は漱石の後期三部作の一つである。親戚に騙されたことで人間不信に陥った主人公の「先生」は、恋愛において親友のKを裏切って、それはKを自殺に追い詰めるきっかけとなってしまった。その後、「先生」は自己不信と深い自責の念にとらわれ続けた結果、自ら命を断つことにした。Kと「先生」の悲劇を招いたのは、どのような「恋愛観」であろう。本論文はテキストの分析を通じて、この問題を検討していく。

まず、「先生」の人物像および最初の「恋愛観」を探る。その次、「叔父に騙された」事件とKの自殺事件を通して、「先生」の「恋愛観」の変化過程を読み解く。続いて、その「恋愛観」は「明治の精神」および「利己主義」とどういう関連があるかを一層深く考察する。最後は本論文のまとめである。

キーワード：こころ　　先生　　恋愛観　　利己主義