『雪国』における女性像についての考察―駒子と葉子を中心にして[日语论文]

要旨

川端康成は日本人として、初めてノーベル文学賞を受賞した。その最も有名な作品はまず『雪国』が挙げられる。雪の北国を背景に男主人公島村の目を通して、駒子及び葉子の美しい姿が作品に生き生きと描かれている。島村は雪国に行ったのは三回である。彼は清潔で艶めかしい芸妓駒子と愛しあうと同時に「病人の男」を世話していた純粋で葉子に惹かれていた。最後に村の小屋が火事になり、葉子が小屋の２階から落ちてきたとき、駒子は駆け寄り葉子を抱きしめた、自分の犠牲か刑罰かを抱いているように、「この子、気がちがうわ。気がちがうわ」と叫んだ。その婉曲で、悲しい場面は読者に深い印象を残した。『雪国』は川端康成が現代主義から日本古典主義への意識転換時期の作品である。その中における女性像の造形も極めて研究価値がある。清潔で駒子及び純粋で葉子という女性像には川端康成的な独特の美意識が染み込んでいる。川端康成の作品は主に女性を主人公にしている。彼は女性に対する描写が得意である。彼は作品に女性美と自然美を融合させ、純粋で魅力的な女性を登場させ、その女性像を通して、女性に対する賛美、同情を表現する。川端康成はそんな女性像を創作する要因は川端康成自身の投影、先人の影響と時代背景に遡ることができる。例えば、孤児としての生活体験、母性愛の欠如による補償心理、家庭及び幸福の欠如による豊かな愛への憧れなどが挙げられる。作者は女性愛を絶えずに追求していたが恋愛はあまり順調ではなかった。それに作品背景とモデルの影響も、川端康成の創作に影響を与えたと考えられる。さらに、「もののあわれ」という美意識の影響、社会情勢の影響もその作品に覗くことができる。本稿では、主に駒子と葉子を中心にして、この作品における女性像を研究することを目的としている。主に駒子と葉子の人物像の基本的な特徴について分析してみようと思う。また、作者の人生経験、時代思潮、作成背景などとあわせて、この女性像の形成原因について分析してみる。

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