江戸川乱歩文学におけるグロテスクの美学―『白髪鬼』を中心に―[日语论文]

要旨

江戸川乱歩は日本本格推理の創始者である。その代表作は『人間椅子』、『心理実験」、『二銭銅貨』などがある。『二銭銅貨』の発表は推理小説を日本文壇の主流に成した。それゆえ、乱歩本人は日本で「推理小説の父」と称されている。乱歩は論理至上の本格派を切り開くが、グロテスクな変格小説にも非常に高い成果をあげた。それに、彼の変格小説は本格小説より大衆の間で人気がある。そのなかでは、『白髪鬼』という小説は一番代表性がある変格派小説である。現在、日本においても中国においても、乱歩及び彼の作品を分析する論文がたくさんあるが、全ての作品を詳しく説明しない。

本論文では、先行研究を踏まえながら、文献分析法を採って、まず、江戸川乱歩を簡単に紹介する。それから、『白髪鬼』の粗筋、背景及び登場人物を紹介する。さらに、妖異元素、感官の刺激及び人物のねじれという三つの面から江戸川乱歩文学のグロテスクを分析する。最後に、「降格」の美、「開放性」の美、二重性、未完性という四つの点から『白髪鬼』におけるグロテスクな美学を検討する。

キーワード：江戸川乱歩；グロテスクな美；『白髪鬼