『怪談·奇談』の「因果話」に見る女性の嫉妬心[日语论文]

要旨

「因果話」は小泉八雲が書いた『怪談•奇談』の中の一つのストーリーである。本論は「因果話」をテクストにして分析し、女性の嫉妬心を研究することになる。小泉八雲は日本の伝統的な女性の優秀な品質を謳歌している。しかし、作者はこのストーリーの中で、死んだ後にも他の女性に対して残酷な報復を行い、強く嫉妬心がある女性を描写した。正妻の奥方は側室雪子の美貌と夫の彼女への寵愛に対して嫉妬したため、雪子を報復した。

小泉八雲は仏教の因果応報を題材にして江戸時代の女性の悲劇運命を述べた。江戸時代において、日本の封建主義は最高峰になったため、女性の心身が厳しい圧迫を受けた。男権社会で女性は地位がとても低く、男に頼まないと生存することができない。また、女訓の教育に基づいて、「三従四徳」、「男尊女卑」などといった婦道倫理はようやく日本女性の生活準則となった。それが原因で、女性の個人的な意識は制約されてしまっている。一夫多妻制の封建的な婚姻制度によって、妻が夫婦の間の厳重な等級秩序を突破し、徹底的に夫に背くことができない。男権社会で男の勢力は強すぎるため、女性の内部闘争の心理はますます激しく、嫉妬心が出てしまう。その上に、女性の特有の軟弱や感性や偏屈などといった性格の欠陥もこの悲劇をもたらしやすいとも言えよう。奥方と雪子の悲惨な運命の描写を通じ、封建社会の下で、本分を守る女性あるいは奮起して一生懸命に抵抗する女性は最終に悲劇の運命に導かれていってしまう。

本論は江戸時代の社会背景と女性自身の性格の特徴に対し、同時期のどうジャンルの作品と対比して分析してきた。そして、近現代の心理学の角度から、「因果話」の中に女性の嫉妬心の発生する原因に関する探究を試みた。

キーワード：因果　女性 嫉妬　江戸時代