島崎藤村の『家』に見る女性の運命[日语论文]

要旨

島崎藤村は日本自然主義の代表的な人物であり、森鴎外、夏目漱石に劣らぬ文豪の一人としてよく知られている。『家』は島崎藤村の三つ目の長編小説で、島崎藤村の家島崎家と姉園子の嫁ぎ先高瀬家の生活を素材にして、封建社会から近代社会への脱皮の中で、日本二大旧家が次第に衰落に陥っていく様子及び封建旧習と礼教に縛れている人間がいかに運命を狂わせられたのかを描く作品であり、数人の鮮明な個性がある女性を描いている。

従来の研究はお倉、お雪、といった女性を中心に考察したが、そのほかの女性像についての記述が少ないのは、その現状である。まだ考察する余地があると考えている。上記した人物以外に、お種、豊世、お雪、曾根千代などまだ数人もあり、彼女たちも無視できない存在ではないかと考えられる。

従って、本稿では、島崎藤村の『家』に見られる女性像:主にお種、豊世、お雪、曾根千代を中心に論じる。まず、島崎藤村の生涯とその作品『家』に関する作品の内容をできるだけ詳しく説明する。次には、主にお種、豊世、お雪、曾根千代の性格特徴を2種類の女性像に分けられる：お種、豊世は弱そうに見るが、気が強くて、封建的、伝統的な女性の代表で、お雪、曾根千代は自主に目覚めて、自我を追求する、新時代の現代女性の代表である。その性格と封建的な倫理と規則に縛られた悲惨な運命を詳しく比較記述し、悲惨な運命の共通点を統括的に論じる。最後、歴史、社会及び作家の生涯からの3つ方面で『家』に登場している4人の女性人物最終的な悲惨な運命の形成要因を分析する。即ち、島崎藤村の『家』における家長者専制、家督相続制、女子無権、男尊女卑などの原因である。上述した歴史から残った制度を分析することで、女性たちに与えた迫害などは現在時代にも重要な意味があると思われる。

キーワード: 島崎藤村『家』 女性運命 男尊女卑　男女平等