『坊っちゃん』から見る夏目漱石の人生観[日语论文]

要旨

夏目漱石(1867-1916)、本名は夏目金之助である。彼は日本の近代の作家で、鲜明な個性、多彩な芸術の才能をもって、日本の近代文学史において重要な地位を占め、日本の「国民大作家」と呼ばれている。

本課題は『坊っちゃん』という小説を対象にし、キャラクターの性格特徴と作者の思考と心理を分析することにより、作者の当時の考え・見解及び人生観形成の原因を研究し、夏目漱石の人生観を全面的に理解することをめざした。

中編小説『坊っちゃん』は作者自身の経歴に基づき書かれていて、明治初期田舎に位置する松山学校を背景とし、江戸男児坊っちゃんの見聞と経歴を通じて、明治社会の混沌とした状態と人間の中の愚かさや醜さを風刺する。夏目漱石が作り上げた坊っちゃんは性格が単純で、朗らかで正義感があるが、無鉄砲なところがある。この「無鉄砲」という言葉は作品の中の坊っちゃんの専属名詞になっている。だが、「坊っちゃん」は典型的な「江戸男児」である。坊っちゃんは単純で直情型の人で、独りよがりであり、無鉄砲なことをやる。夏目漱石は「坊っちゃん」に典型的な「江戸男児」の性格を与える。作品を具体的に分析すれば、坊っちゃんの同情心と正義感が見られる。坊っちゃんには悪を憎んで、恐れずに思い切ってことをするというプラスの性格がある。

この小説は当時の日本社会の闇と腐敗を深く暴露し、資産階級の卑劣な行動を批判し、正義と善良を高く評価し、陰謀と邪悪を責めている。作者は小説を通じて、人生は一刻もやまない争いに満ちた修羅場であり、敵を倒すために己を犠牲にしても構わないという人生観を表し、人々の覚醒を喚起した。

キーワード：夏目漱石　人生観　社会の闇　やまない争い