志賀直哉の人道主義について－『暗夜行路』、『小僧の神様』、『城の崎にて』を中心に[日语论文]

要旨：志賀直哉は日本近代文学史上で代表的な作家であり、「小説の神様」とも称された。白樺派の代表的な旗手として、志賀文学における極濃厚である人道主義を論述せずには志賀文学を考えられない。それに、自身の人生経歴の影響で、志賀の人道主義は神権、夫権への反抗、弱者への同情、戦争への反対という白樺派が宣揚した人道主義の共通点があるばかりでなく、その上に自分の欲求を満足する自我至上、調和的心境に昇華する特色の一面も含めてある。

本稿は先行研究を踏まえて、志賀の代表作に立脚して、その人道主義の特徴を明らかにしようと思う。本稿は三つの部分に分かれている。第一章は白樺派における人道主義について述べ、そして志賀及び彼の人道主義の形成原因をも簡単に紹介する。第二章は『城の崎にて』、『小僧の神様』、『暗夜行路』を中心に、動物、弱者、女性への同情から、志賀文学における人道主義の表れを具体的に分析する。第三章は、志賀の成長環境と経歴と結び付いて、彼なりの人道主義の特色を探究してみる。

要するに、本稿は志賀の代表作を例にして、志賀の人道主義を明らかにしようと思うのである。以上のような分析を通して、志賀文学の魅力や特質及び作者本人の思想をよりよく把握できるのに十分な意味を持っていると言えるだろう。

キーワード：人道主義、白樺派、自我至上、調和的心境