巴金の『家』と島崎藤村の『家』の比較―主な登場人物を中心に[日语论文]

要旨：世界諸国では家を主題として創作された文学作品は数多くある。近代の中国と日本文壇に、特に日本の明治四十年代と中国の五四運動の前後、この主題をめぐった作品は沢山世に出た。その中に二つの同名小説――中国の作家巴金の『家』と日本の作家島崎藤村の『家』が殊に注目を集めていた。巴金の『家』は一九三一年に完成され、一九二〇年の中国四川省の成都市を舞台にした作品で、大家族高家の一族四世代の暮らしと家族の盛衰を描写した。島崎藤村の『家』は一九〇九年に創作され、日本の二つの大家族――小泉家と橋本家を中心として、家父長制度の礼節、習俗及びこの制度の中で成長してきた人々の苦しみを生き生きと描写した。

本論文ではこの二つの名著を研究対象として、比較法を用いて、作品中の人物のイメージ(女性のイメージ、青年のイメージ、家長のイメージ)及び変革時代における中国と日本の大家族の形態を分析することを通じて、当時の両国の「家」文化の共通点と相違点を明らかにする。

キーワード：『家』；巴金；島崎藤村；主な登場人物；比較