下田歌子の女子教育理念について[日语论文]

要旨

1868年、将軍(徳川家) による政権が崩壊し、天皇を頂点とする新しい政権が誕生する政治的革命が生じた。1872年、日本で最初の体系的な教育法令として「学制」が公布される。男女の別なく、女子が同一の教育を受けることができた、女子教育は大きな発展を遂げた。そういう背景の下に、女子高等教育開拓者は何人も現れた。下田歌子はその中の一人である。下田歌子は「小野小町の美貌」と「紫式部の文才」と「北条政子の胆力」を併せ持ったという色、才、胆兼備の希有な女性と評価されている。実践女子学園の創設者である下田歌子は、家政学への幅広い知見、欧米留学で培った先進的な理念に加え、女子教育の先駆者として自ら活動する、実行力を併せ持った人物である。下田歌子は生涯、女子教育に最も関心を持ち、近代の良妻賢母主義女子教育を進めた教育者である。古くから伝わった伝統的な良妻賢母理念と違い、歌子の教育理念は近代日本社会の現実に応じている。

本論は、明治時代における社会、文化を背景にし、下田歌子の人生と教育者としてのキャリアをまとめ、彼女の日本における女子教育に関する理念と実践について考察し、また、彼女の近代日本及び中国の女子教育への影響について検討する。

キーワード　下田歌子；女子教育；良妻賢母