物語論から泉鏡花『外科室』における人物イメージの分析[日语论文]

要旨

泉鏡花は日本の近代文学史上の重要な作家で、日本国内でも知名度が高い。彼の出世作としての『外科室』は「観念小説」の代表作だと称えられている。多くの学者が泉鏡花『外科室』について研究しており、それに対して創作スタイル、創作手法、女主人公のイメージなどの分野にさまざまな視点や見解が提出されている。

『外科室』はは明治時代の伯爵夫人と高峰医学士の愛情の悲劇を描いた作品で、中に主要な登場人物とする貴船伯爵夫人、医学士高峰、画師たる「予」、貴船伯爵、侯爵、医博士、腰元、看護婦、二人の商人体の壮者などの十人がいる。したがって、本稿は小説中の主要な登場人物を研究対象にし、文献研究、理論分析、比較などの方法を通じて、物語論の人物観という理論で全面的に作品中の主要な登場人物のイメージを分析する。

本稿は四つの部分からなっている。第一章では、『外科室』に関する先行研究のまとめ、本稿の研究内容および研究方法や研究対象を紹介する。第二章では、まず、本稿で扱う心理的と機能的な人物観を含む物語論の概念を解釈する。それに、作品の中の主要な登場人物を整理し、心理的と機能的な人物観の理論を理解することに基づき、それらの人物をフラット キャラクターとラウンド キャラクター、主要人物と非主要人物に分ける。第三章では、まず、物語論における人物像の表現方法の理論を紹介する。それに、貴船伯爵夫人、医学士高峰、およびほかの主要な登場人物のイメージの表現方法を分析する。第四章では考察の結果をまとめる。

要するに、本稿は主に物語論の人物観で泉鏡花『外科室』における中主要な登場人物のイメージを分析する。文献研究、理論分析などの方法を通じて、泉鏡花の『外科室』の中の人物像の物語論的な分類や人物のイメージの表現方法の考察の結果を導く。その結論は作品中の登場人物が主要人物か、非主要人物か、またはフラット キァラクターかの仕分けの基準、及び人物それぞれのイメージにいかなる深い意味があるかの点を明示することである。

キーワード：物語論  人物観  登場人物