『斜陽』の人物像と太宰治との共通点について_日语论文

要旨

『斜陽』という作品及びそれについての先行研究を繰り返して読んだうえで、筆者は『斜陽』の人物像と太宰治との間には関係があると思われる。本稿は『斜陽』の先行研究を踏まえ、作品の人物像と太宰治の経験を細かく分析し、その共通点を明らかにしようとした。

本稿は 3 つの章節からなっている。第 1 章では『斜陽』に関する先行研究を考察する。第 2 章は太宰治に対照するつもりの四つの主人公に対して分析する。分析した結果、それぞれの人物像は以下のとおりである。「母親」という人物像は垢抜けで、自由の魂を持っている。彼女は「精神貴族」だと思われる。「和子」は古い道徳に挑戦し、妻帯者と子供を連れて道徳革命を始める勇気がある。彼女は本当の闘士だと言える。「直治」は貴族階級を裏切ろうとする一方、庶民階級にも入れない、ついに沒落貴族の犠牲者になってしまう。「上原」は戦後社会を見抜いてから、自己を捨て、退廃的な生活を送り、自暴自棄になってしまう。上原は戦後の大衆の代表であると言える。第 3 章では、「生活状態」と「精神的追求」の両方への分析を通して、母親と和子は太宰治の心の支えであり、直治と上原は太宰治の具体化であるということが分かった。

キーワード： 斜陽；生活状態；精神的追求；共通点