关于东野圭吾的作品中登场的女性形象-围绕“恶女”的考察[日语论文]
東野圭吾の作品における女性像について―「悪女」をめぐる考察
要　　旨
多くの女性人物があり、掛け替えのない重要な役割を果たす推理小説は一般的に少ない。しかし、東野圭吾の作品の中で女性が主人公として描かれるのが意外に多い。第二次世界大戦後、西洋文明に洗礼された日本社会に、封建思想が相変わらず根強く定着した。東野圭吾が男女平等社会の到達を呼びかけるために、伝統的な女性のイメージと完全に違う悪女を描き出した。日本文学で伝統的な女性像と比べ、読者にさらに深く東野文学の魅力を感じさせると言えよう。本稿は、東野圭吾の作品における悪女像を分析することにより、女権主義の発展や女性地位の向上を検討してみようと思う。
本論は四つの部分からなっている。第一章は、作品の風格と作家の女性観から、東野圭吾について簡単に紹介する。それで、定義や特徴から四つの種類の悪女を説明する。第二章は、自分の幸福や自由を求めるために、主動的に悪事を行う謎のような魅力的な悪女像を分析し、女権主義の目覚めを検討する。第三章は、男権社会で圧迫された悪事をせざるを得ない気の毒な悪女形象を研究し、封建思想に束縛され、息苦しい生活を送っている女性の生活状態を明らかにする。第四章は悪女出現の社会背景である女権主義の発展について論述し、女性の社会地位の向上を述べてみる。
東野圭吾の描いた現代文明の中に生まれた悪女は、男権社会への反抗という時代の特徴を持っているだけでなく、作家自身の女性観も社会観も覗かれる。女性の粘り強い反抗に表現されるのは、男権に左右されたくない自主意識や女権主義の目覚めである。本論は、悪女と呼ばれている女性の複雑な心理や悪行への分析を通し、戦後日本女性の社会地位の変化や女権主義の発展に対する理解が深まると思う。

キーワード：東野圭吾、悪女、男女平等、女権主義

目　　次
要　　旨
はじめに1
第一章　東野圭吾と悪女像1
１．１東野圭吾についての紹介1
１．２悪女の特質2
第二章　謎のような魅力的な悪女2
２．１「白夜行」における唐沢雪穂3
２．２「幻夜」の新海美冬4
第三章　圧迫された気の毒な悪女4
３．１「容疑者ｘの献身」における花岡靖子4
３．２「聖女の救済」の真柴綾音5
第四章　悪女形象から見た女権主義の発展6
４．１戦後日本女性の社会地位の変遷6
４．２政府の助力と女性の進出7
４．３男女平等社会への展望7
終わりに8
参考文献
謝　　辞