从《人间失格》看太宰治的“罪”意识[日语论文]
『人間失格』から見た太宰治の「罪」の意識
要　　旨
日本無頼派大師と呼ばれている太宰治は、日本では、川端康成と三島由紀夫とともに戦後文学の頂点に立つ人物である。太宰治は自分のことをテーマにし、自伝的な作品を書いてきた。
『人間失格』は太宰治の作品の中で最も重要な小説である。昭和23年（1948年）6月に発表されて、其の直後の6月16日、太宰治は自殺し、享年38歳であった。故に、『人間失格』は太宰治の最後の傑作と思われる。そのため、この作品には特別な研究意義がある。
本稿では出発点として検討するのは、太宰治の「罪」の意識とは何かということである。太宰治の「罪」の意識について『人間失格』を象徴的な観点から検討する。新たな立場から、その「罪」の意識の形成理由を分析する。
本論文は3つの部分から構成される。まず、「人間失格」そのものの意味、また作品において主人公——大庭葉蔵の一生の描写を読みながら、その中に隠されていた心の葛藤及び作者とのつながりを発見する。
次いで、『人間失格』における「罪」の意識ということをめぐって、作者太宰治の現実生活を背景として、「家庭環境」、「現実生活と夢の格差」、「心中と婚姻」、それぞれどのような役割を果たしているのか、という外因の点から考察する。
更に、太宰治自分なりの性格も本稿の参考として、太宰治の「罪」の意識における「お道化と恐怖感」「劣等感と弱虫」「逃避心理と贖罪意識」という内因の点から説明する。
キーワード：太宰治、人間失格、罪の意識、恐怖感、家庭教育

目　　次
要　　旨
はじめに    1
第一章 『人間失格』について    2
1.1「人間失格」とは    2
1.2主人公と作者の接点    3
第二章 外因における「罪」の意識の形成理由    4
2.1家庭環境    4
2.2現実生活と夢の格差    6
2.3心中と婚姻    9
第三章 内因における「罪」の意識の形成理由    10
3.1お道化と恐怖感    10
3.2劣等感と弱虫    11
3.3逃避心理と贖罪意識    12
終わりに    14
参考文献
謝　　辞