角田光代《第八日的蝉》中“蝉”的寓意[日语论文]
「八日目の蝉」の「蝉」について

要　　旨
「八日目の蝉」は「母性」をテーマにした作品である 。主人公野々宮希和子は不倫相手の子供を誘拐し、３年半の間、逃亡していた。小説のジャンルは「サスペンス」となっているが、子供の出生、愛情、家族とのふれあいなど日常的な要素が、角田の独特のセンスで描かれている。国内の先行文献は「母性」という視点から、あるいは「女性主義」から「八日目の蝉」を分析した。本稿ではテーマの“蝉” の寓意を研究する。「八日目の蝉」がメタファーを使い、苦境に陥っている女性を指している。
蝉のさなぎは地下の暗中で７年間冬眠し、繭を破って蝉になった後は、たった７日だけしか生きることができない。だからこそ、意外にも八日目まで生き延びたる蝉は独り寂しくて悲しむのだろうか。それとも第八日目の人生を送る風景を見ることを喜ぶのだろうか。小説の主人公達はまるで八日目の蝉のようである。彼らは新しい人生を送ることを喜び、時には悲しんでいる。「八日目の蝉は、他の蝉には見られなかったものを見られるのだから。見たくないって思うかもしれないけど、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけほどにひどいものばかりでもない。」それは主人公の恵里菜が言った話であり、作者は主人公を通して読者に伝えたいのだと私は思った。
  本稿は「八日目の蝉」の「蝉」のメタファーと主人公の関係という新しい視点で、小説のきめ細かい心理描写を分析することによって、女性が逆境において他人とは違う道を選択し、困難を乗り越えて成長していく姿に焦点をあてた。人生の善し悪しという両面に気を配りながら、女性は不公平な社会環境の中で、どのように抵抗し苦境を脱して新たな人生を切り開いて行くのかを明らかにしたい。

キーワード：蝉　苦境　八日目の風景

目　　次
摘　　要    Ⅰ
要　　旨    Ⅱ
はじめに    1
第１章  あらすじと先行研究    3
1.1　あらすじ    3
1.2  先行研究    3
第2章　希和子：意外にも八日目の蝉になる    5
2.1　空っぽのがらんどうになる    5
2.2　精神の救済    5
2.3  逃亡と八日目の風景    6
2.4  まとめ 7
第3章  恵津子：苦しみに溺れる八日目の蝉    9
3.1　家庭が崩壊する    9
3.2　八日目に悲しむ    9
3.3  まとめ  10
第4章　恵理菜と千草：第八日の風景を味わって    11
4.1  母性愛欠如、人生疲れ切る    11
4.2  母性愛の記憶を取り戻す    11
4.3  八日目の風景    12
4.4　千草の苦境と新生    13
4.5  まとめ    13
終わりに    15
謝　　辞
参考文献