从《伊豆舞女》看川端康成的孤儿根性[日语论文]
『伊豆の踊子』から見る川端康成の「孤児根性」

要　　旨
川端康成は日本初のノーベル文学賞を授かった作家であり、タゴールの後に続いてアジア第二位のノーベル文学賞の受賞者でもある。『伊豆の踊子』は「孤児根性」に苦しんだ一高生が陰鬱と苦悶から抜け出すために、一人伊豆へ旅行することにしたことを描いた。途中で出会った旅芸人の一行と知り合い、旅芸人たちとの接触の中で彼らの純粋さと優しさに打たれ、しかも踊子に恋のような恋風を吹かせる。旅芸人の一行と接触するにつれ、孤独で陰鬱な主人公の心がますます洗礼され、精神が浄化され、感情が昇華された。初期の代表作とする『伊豆の踊子』は『湯ヶ島での思い出』を終始貫いている川端康成の「孤児根性」を集大成し、川端康成の文学を解読する一つ重要な鍵である。
本論文はおおきく四つの部分から構成されている。
第一章は主に川端康成の身の上と『伊豆の踊子』のあらすじを紹介する。
第二章は『伊豆の踊子』の創作背景と創作目的を紹介する。
第三章は川端康成の身の上を通して「孤児根性」の形成を究明する。そして、『伊豆の踊子』における「孤児根性」の表れを紹介する。伊豆への旅行及び旅芸人の一行との付き合いは川端康成の「孤児根性」に対する影響を述べてみる。
第四章は「孤児根性」は川端康成の小説と自分自身への影響を論じる。「孤児根性」は川端康成に女性をテーマにした小説世界を作り出させる。そして、「孤児根性」も彼に自殺の形で人生の最後を選ばせる。
本論文は川端康成の身の上と『伊豆の踊子』の創作背景の分析を通して、「孤児根性」の形成を究明する。『伊豆の踊子』は川端康成が自分の「孤児根性」を確認する作品だと皆に深く感じさせられる。また、この作品も川端康成が「孤児根性」から実現へ戻るの転換点であると考えている。しかも、彼の後日の作品の中で表れる若い女性に特に好む感情も非常に重要な影響がある。
キーワード：川端康成　伊豆の踊子　孤児根性　女性

目　　次
摘　　要    Ⅰ
要　　旨    Ⅱ
はじめに    1
第一章　川端康成と『伊豆の踊子』の粗筋    2
1.1　川端康成    2
1.2　『伊豆の踊子』の粗筋    3
第二章　『伊豆の踊子』の背景と目的    4
2.1　創作の背景    4
2.2　創作の目的    5
第三章　『伊豆の踊子』における「孤児根性」    7
3.1　孤児根性とは    7
3.2  孤児根性の形成原因    7
3.3　『伊豆の踊子』における「孤児根性」の表れ    8
第四章　川端文学における「孤児根性」の影響    11
4.1　女性をテーマにした小説世界    11
4.2　物哀れ    11
おわりに    13
参考文献    14
謝　　辞