《国境以南太阳以西》中的空虚研究-以主人公初为中心[日语论文]
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《国境以南太阳以西》中的空虚研究-以主人公初为中心[日语论文]
『国境の南、太陽の西』における「空虚」-主人公「ハジメ」を中心に-

要  旨
本論文は村上春樹氏の小説『国境の南、太陽の西』をとりあげ、本作品に現れる「空虚」について論じたものである。この作品は、バブル絶頂期の東京が主な舞台となっている。主人公である「ハジメ」を語り手として、彼と「島本さん」、「イズミ」、「イズミの従姉」、そして「妻」の、四人の間の物語について述べられている。小説の前半、全小説の3分の1ほどは、主人公が会社を辞め、バーを開店するまでの半生が描かれている。学生時代の「僕」は一人っ子という育ちに不完全な人間という自覚を持ちながら、成長と共にそれを克服しようとする。同じ一人っ子である「島本さん」は「僕」を癒したが、彼女の転校で「僕」と離れた。その後、「僕」は「イズミ」と付き合い、「イズミの従姉」と性的関係を持ち、「妻」と結婚した後、義父の出資で開いたバーが成功し、二人の子供を授かり、裕福で安定した生活を手にするが、やはり「島本さん」のことを忘れず、空虚に陥った。そのようなとき、小学校の同級生だった島本さんが突然、店に現れる。そして、再会した「島本さん」との関係に「僕」が満足したと思った時、「島本さん」はまた姿を消してしまった。こうして「僕」は元の生活に戻り、物語は終わる。
本論文はおおきく三つの部分から構成されている。まず第1章で、村上春樹氏自身の生い立ちや『国境の南、太陽の西』のあらすじについてまとめる。その上で第2章では、テキストに書かれている内容に即し、「空虚」を象徴している「島本さん」と、「物質生活」を象徴している三人の女性との比較を行なう。この比較を通じて、裕福で安定した生活とともに人生の充実を手にするはずだった主人公「ハジメ」に現れる「空虚」を分析する。そして第3章では、その「空虚」が彼の成長経歴や社会背景と関わっている点を指摘する。
以上により、本論文では、小説全体を通じて描かれている主人公「ハジメ」の「空虚」の成因と、そうした「空虚」を書く現実意義を解明している。
キーワード:村上春樹  国境の南、太陽の西 空虚

目  次
摘  要    Ⅰ
要  旨    Ⅱ
はじめに    1
第1章 村上春樹と『国境の南、太陽の西』    2
1.1 村上春樹    2
1.2 『国境の南、太陽の西』のあらすじ    3
第2章 『国境の南、太陽の西』に現れる「空虚」    4
2.1 「島本さん」——「空虚」の象徴    4
2.1.1 島本さんと似ている女    4
2.1.2 十万円入りの封筒    5
2.2 「島本さん」との比較    6
2.2.1 イズミ――「恋」    6
2.2.2 イズミの従姉——「性」    6
2.2.3 妻の「有紀子」——「家庭」と「事業」    7
第3章 『国境の南、太陽の西』に「空虚」の成因    8
3.1 成長経歴——「一人っ子」    8
3.2 社会背景    9
3.2.1 団塊の世代としらけ世代    9
3.2.2 全学共闘会議    10
3.2.3 高度経済成長期    11
3.3 現実意義    11
おわりに    13
参考文献    14
謝  辞

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