从《万延元年的足球队》看大江健三郎内心的期待[日语论文]
『万延元年のフットボール』から見る大江健三郎の心の期待
要　　旨
大江健三郎は二人目の日本人ノーベル文学賞受賞作家であり、数十年の創作生涯で、数多くの秀作を出した。その中でもっとも代表的な作品は1967年に完成した『万延元年のフットボール』である。この『万延元年のフットボール』はマジックリアリズムと存在主義の色合いを持って、その題材と文体が特異で、素材が混乱で、読みにくいと思われている。この奥深い作品の中に、大江健三郎の強いメッセージが含まれているはずである。
大江健三郎は四国地方の山村から出た作家である。みずからの出身によって作者は『万延元年のフットボール』の基本的な背景を構成した。そして、「中心」に対する「地方」の特徴は「辺縁性」という主題を成している。大江健三郎はこのような「辺縁性」を強調しながら、人間の歴史的な自己同一化の喪失と回復を力強く描いた。歴史的な自己同一化とは事物が時や場所を越えてそれ自身に同じであること。特に人格が自己として一貫することをいう。その中で、作者の一番の期待は「現実はどんなに辛くても、希望を抱いてともに生きること」と考えられる。
総じていえば、『万延元年のフットボール』の言葉づかい、人物描写と主題からは大江健三郎の人間全体の未来に対して抱く期待を見ることができる。
キーワード：大江健三郎　『万延元年のフットボール』　心の期待 

目　　次
はじめに    1
1、『万延元年のフットボール』について    1
1.1作品の成立    1
1.2作品の粗筋    1
1.3作品と作者    2
２、『万延元年のフットボール』から見る大江健三郎    3
2.1森で過ごした子供時代    3
2.2「辺縁性」を身につけて    4
2.3障害児の父親として    6
３、『万延元年のフットボール』から見る大江文学の特徴    7
3.1作品の言葉づかい    7
3.2作品の人物描写    8
４、大江健三郎の心の期待    9
4.1本当の自分を探すこと    9
4.2共に生きること    10
終わりに    11
謝　　辞
参考文献