坂口安吾の『桜の森の満開の下』の人間性探求—山賊を中心に_日语论文

要旨

本稿は坂口安吾の『桜の森の満開の下』をめぐり、人間性という視点から主人公の山賊の人間的成長について研究したものである。

作品における人間性探求を展開する前に、人間性への考察が必要である。本稿はまず人間性に関する研究を収集し調査する。研究により、人間性という用語は多義的であることが明らかになった。本研究は人間性を「科学的に探究可能な『人間性』」に限定づけ、つまり「人間の自然本性(人間の自然的な傾向性)」の上に立ち、『桜の森の満開の下』の山賊を中心に彼が経験したことから、彼の心理を分析し、作品の人間性探究を展開するものである。特に彼が人を殺しても後悔知らずの幸福が感じられたこと、考えることへの態度転換、孤独というものへの悟りなどに着目し、山賊が人間としての成長を把握する。人間的になった山賊は人間の存在の本質－孤独というものが理解でき、「桜の森の満開の下」の秘密も分かった。それは巨大ながら虚無である空間の中で孤独というもので彼は孤独と直面し、孤独というものを認識して受け入れるようになり、人間的な成長に達したということを明らかにした。

キーワード：『桜の森の満開の下』、山賊、人間性、成長、孤独

目次

要旨

はじめに 3

1．問題提起： 3

2．先行研究 4

3．研究課題 5

4．研究方法 6

本論 6

1.坂口安吾と『桜の森の満開の下』 6

2．『桜の森の満開の下』への人間性探求 7

2.1 人間性について 7

2.2 山賊の人間的な成長をめぐり 8

2.2.1 人を殺すこと 8

2.2.2 幸福を感じること 11

2.2.3 考えること 11

2.2.4 孤独を怖るのに、孤独を選ぶこと 13

おわりに 15

謝辞 17