村上春樹の『ダンスダンスダンス』と『荘子』における生死観についての比較研究_日语论文

要旨

本稿では『荘子』と村上春樹『ダンスダンスダンス』の死生観について、異なる分析視点として対比を行った。『荘子』は「道」家学派の古典的代表作として、後世への影響は極めて深い。

天地は自然に順応し、同じ死生の生死観を『荘子』の核心とする生死観だけでなく、個人の生命の存在に対しても極度の自由を表現している。一方でポストモダニズムを代表する村上春樹は、生死観でも荘子と似たような観点を有している。つまり生と死は対立ではなく、死も生の一部世言う考えである。この『ダンスダンスダンス』の成立背景は1980年代、高度に発達した日本社会にあり、高度に発達した資本主義社会の下で、人は「道」に迷っていく過程にあって死を描き命の意味に直面している。

本稿の内容は次の三点について分析を行う。第一部分は『荘子』の生死観に対して分析を行い、主要な文章を分析し、荘子の死生を一つの哲学的観点で述べる。第二に村上春樹の『ダンスダンスダンス』のストーリーと内容で明らかになった生命観を分析する。『荘子』と『ダンスダンスダンス』の記述形式は異なるが、前者はそれぞれ独立した寓話であるのに対し、後者は完全なストーリーであるので、両者の記述を検討する。そのうえで第三に総合的な分析と現実的な意味について考えることとする。

キーワード: 『ダンスダンスダンス』、『荘子』、死生一条、資本主義社会 

目次

1.はじめに 1

2．先行研究 1

3.荘子の生死観についての分析 2

3.1生の態度 3

3.2死生の超越 4

4.『ダンスダンスダンス』における生死観 5

4.1『ダンスダンスダンス』の大筋と分析 5

4.2個人主義の生死観 7

5.『荘子』と『ダンスダンスダンス』における生死観の比較研究 8

5.1『荘子』の理論と『ダンスダンスダンス』の生死観 8

5.2死生同一の生死観の現実的な意味 10

6.終わりに 12

謝辞 13

参考文献 14