『藪の中』を通して人間の利己主義を論じる_日语论文

要旨

芥川龍之介は夏目漱石と森鴎外と共に日本文学史上「三人の巨匠」と呼ばれ、日本文学、さらには世界文学にも大きな影響を与えてる。芥川氏の短編小説は歴史小説に題材をとって再創作されたのである。神秘的な雰囲気と強い物語性を持つ一方で、人間の心の奥深くに隠されている暗いものを明らかにした。例えば、人間の「利己主義」。

今まで芥川氏およびその作品に関する研究視点は、大体『羅生門』における「善」から「悪」への変化、『鼻』における傍観者のエゴイズム、または藪の中』の信頼できない語り手などの研究である。「藪の中」の利己主義に関する研究はまだ十分とは言えない。同じ事件をめぐって証人たちの証言はそれぞれ矛盾しているのは、主観性のため人間はいつも自分の都合にいいことだけを述べる。もっと深い原因としては人間の利己主義であろう。

本稿は、『藪の中』の証言を分析することによって、そこに隠された利己主義とその成因と影響を探求する。本稿は６つの部分からなっている。はじめに、芥川氏の影響と利己主義について紹介する。第二章は芥川氏と『藪の中』に関する国内外での研究状況を論じる。第三章『藪の中』の創作背景とあらすじを紹介する。第四章は登場人物の欲望を分析して人間の利己主義を明らかにする。第五章は『藪の中』での利己主義と芥川の他の代表作における利己主義と比較する。最後に結論をまとめ、今後の課題を提出する。

キーワード：芥川龍之介　　藪の中　　利己主義　　　　

目次

1　はじめに 1

2　先行研究 1

3 『藪の中』の創作背景とあらすじ 3

3. 1　創作背景 3

3. 2 『藪の中』のあらすじ 3

4　『藪の中』における人物の利己主義 4

4.1　多襄丸 4

4.2　真砂 5

4.3　死者の武士武弘 6

4.4　目撃者 6

5　芥川龍之介作品の中の利己主義 7

5.1　『藪の中』の利己主義について 7

5.2　ほかの作品の利己主義について 8

5.3　利己主義についてのまとめ 9

6　おわりと今後の課題 10

参考文献 12

謝辞 13