『菜穂子』から見る堀辰雄の死生観_日语论文

要旨

堀辰雄は日本昭和時代初期の心理主義の代表的な作家であり、東京生まれ、しかも芥川龍之介の唯一弟子である。彼は相次ぐ母、恩師、未婚妻、弟子の死に身を持って経験し、それだけでなく自分の体調も悪化していた。これが原因で、彼の作品は常に生と死を中心にして、自分の独特な死生観を述べている。堀辰雄は心理主義の代表的な作家であると同時に現代主義文学の代表作家でもある。『菜穂子』はその代表作品だと考えられる。

本論は、『菜穂子』の創作背景に皮を切り、作品に登場してくる人物の心理的な描写と独特な死生観を分析し、最後にその生と死の関係について論じている。具体的に、まず登場人物の登場順番とその人物たちの各自の生涯を紹介している。次に、それをいて現実世界における作者の身の廻りにいる人物と対照しつつ、その相応性を探っている。最後に、作中における主人公の死生観の変化を踏まえつつ、堀辰雄の他作品である『風立ちぬ』における死生観の特徴と結合し、作者自身の死生観の形成と変化を述べている。

以上の概観を基にして、本論は以下のような結論が得られている：一、堀辰雄の人生経歴と20世紀30年代の社会背景は堀が生と死に対する態度変化要因である。二、『菜穂子』において、その登場人物の現実的な人物原型から各人物の人生経歴まで悲しい雰囲気に溢れていて、堀辰雄の悲観的で孤独な死生観を表現している。三、「死」は「生」の終わりではない。そして、「生」と「死」は対立ではない。「生」は孤独なものであり、「死」は永久なものであるという結論である。

キーワード：堀辰雄；死生観；悲観；孤独

目次

はじめに 1

先行研究 1

１． 『菜穂子』とその作者 3

1.1あらすじ 3

1.2創作背景 3

1．2.1堀辰雄の経歴 3

1．2.2現代文学の潮流 4

2. 『菜穂子』における死と生 5

2.1「死」 5

2.1.1森於菟彦の死 5

2.1.2三村夫人の死 6

2.2「生」 6

2.2.1黒川圭介の生 6

2.2.2都築明の生 7

2.3「死」と「生」の関係 7

3．堀辰雄の死生観の形成と変化 8

3.1『風立ちぬ』における死生観 9

3.2『菜穂子』における人物の原型 9

3.3「菜穂子」の態度変化 10

おわりに 11

参考文献 12

謝辞 13