『白夜行』における悪女像から見る東野圭吾の女性観_日语论文

要旨

東野圭吾は日本社会推理小説の代表作家である。1985年に『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を獲得し、デビューした。今、推理小説と言えば、いつも東野圭吾という名前が思い出される。東野圭吾の作風は時間に従って徐々に変化し、大体三つの時期に分けられる。第一時期の作品はキャンパス推理を中心として、その多くは本格推理である。第二時期は社会問題に注目し、作品の中で生活や社会における多くの現実問題にも言及した。第三時期は徐々に本格派から脱出して、写実本格派を造る。この時期には東野圭吾が社会と人間性に関心を持つ一方で、叙事技巧で絶えず革新していた。『白夜行』は明らかに第三時期の作品であって、その典型でもある。論理的な推理があって、社会や人間性に対する疑問もある。それに、『白夜行』における雪穂像についての描写から、作者の女性観も読み取れる。

本論文は主に『白夜行』における雪穂像について分析する。『白夜行』には、女主人公雪穂は周りの人の目から見れば完璧な女性であると言ってもいい。しかし、本当の雪穂は犯罪に手を染める人である。まず、年齢によって、雪穂の人生を子供時代、学生時代、成人時代に分けて、それぞれの時期に出てくる雪穂像を分析するほか、彼女の悪行も詳しく並べることにした。そして、雪穂が悪女になる原因と考えられる多くの要素があるから、本論文は雪穂の性格と書籍の影響及び生活環境の影響という三つの方面から分析する。それに、雪穂のような悪女がよく東野圭吾の作品に見られることから、『聖女の救済』、『容疑者Ｘの献身』、『幻夜』における典型的悪女像なども入れて、雪穂像の特徴と比べて、そして、その共通点を探す。最後は作者の女性観を分析してみる。

本研究を通して、作者が描くのは純粋な悪い女性ではなく、男性に頼って、欲求と堅い意志のある女性であることが分かる。東野圭吾は女性の地位について関心を持ち、そして悪女を作り出したのは男権社会における男女地位の不平等に対する反抗であると筆者は思う。彼女たちの人物像から見て、東野圭吾の作品における女性は男性の付属品ではなく、自由を追求して、自分の信念がある人であると分かる。

キーワード：白夜行　悪女像　女性観　犯罪 欲求 

目次

はじめに 1

１．東野圭吾と『白夜行』と女性観 2

1.1東野圭吾と彼の作風 2

1.2『白夜行』への紹介 3

1.3女性観と文学創作 4

２．『白夜行』における悪女像 5

2.1雪穂像 5

2.1.1子供頃の雪穂 5

2.1.2学生時代の雪穂 6

2.1.3成人時代の雪穂 7

2.2雪穂の悪 8

2.2.1母親への悪 8

2.2.2藤村都子への悪 9

2.2.3川島江利子への悪 9

2.2.4夫への悪 9

３．悪女になる原因 10

3.1雪穂の性格 10

3.2本の影響 11

3.3生活環境 12

４．悪女像から見る作者の女性観 13

4.1欲求のある女性 13

4.2男性に頼る女性 14

4.3堅い意志のある女性 14

終わりに 15

参考文献 16

謝辞 17