『蛇性の婬』と『白娘子永鎮雷峰塔』における蛇女造形に関する比較_日语论文

要旨

作家上田秋成による『雨月物語』は日本近世中期における読本の代表作とみなされている。この『雨月物語』は五巻からなる。それぞれには『白峯』、『菊花の約』、『浅茅が宿』、『夢応の鯉魚』、『仏法僧』、『吉備津の釜』、『蛇性の婬』、『青頭巾』、『貧福論』の九篇の作品からなる。中でも、この『蛇性の婬』を持って独立の一巻となるのである。『蛇性の婬』は、中国明の時代の白話小説家馮夢龍の短編小説集『警世通言』の第28巻『白娘子永鎮雷峰塔』によって翻案という文学創作の方法で再生した作品である。

『蛇性の婬』は『白娘子永鎮雷峰塔』の翻案である。しかしながら、中国の題材を利用すると同時に、日本ならではの要素をもたくさん含まれていて、翻案小説の中で高い文学価値を持っているということができる。この二作は中日比較文学の研究においても、多く言及されている。本稿では、『蛇性の婬』の主人公真女児と『白娘子永鎮雷峰塔』の主人公白娘子を中心に、「蛇女」の造形を取り上げて具体的に分析を行うことになった。その「蛇女」の行為、性格及び世間への態度を分析して、さらにその分析の結果をもとに「蛇女」の造形の相違が生じる原因を徹底的に研究した。又は「蛇女」という主人公によってそれぞれに伝えていく思想を究明することになった。

キーワード：『蛇性の婬』；『白娘子永鎮雷峰塔』；蛇女造形；比較 

目次

はじめに1

1、作品紹介2

1.1、『蛇性の婬』あらすじ2

1.2、『白娘子永鎮雷峰塔』あらすじ2

2、作品における蛇女の造形4

2.1、『蛇性の婬』の真女児4

2.2、『白娘子永鎮雷峰塔』の白娘子5

3、蛇女造形の共通点7

3.1、蛇性の愛7

3.1.1、真女児の愛7

3.1.2、白娘子の愛7

3.2、蛇性の悲劇8

3.2.1、真女児の悲劇8

3.2.2、白娘子の悲劇9

4、蛇女造形の相違点9

4.1、行為9

4.2、性格10

4.3、世間への態度10

5、蛇女造形相違の原因11

5.1、社会的原因11

5.2、歴史的原因12

5.3、宗教的原因12

5.4、作者原因13

おわりに13

参考文献14

謝辞 15