京極夏彦の妖怪推理小説の特徴—『魍魎の匣』を中心に[日语论文]

要旨

京極夏彦は日本独特の「妖怪型」推理作家で、彼の考え方は極めて大胆である。彼の作品の特徴は、環境の影響などを妖怪にして、そして、問題を解決する。犯罪技巧と推理過程を重視する一般的な本格推理小説と比べて、京極夏彦の小説は心の分析をより重視している。しかも、京極夏彦はもともと美術デザイナー出身なので、彼の作品は彼なりの美学も反映している。本論は京極夏彦の代表作『魍魎の匣』を中心に妖怪推理小説の特徴を検討する。

本論文はまず、先行研究の部分で、他の京極夏彦に関する論文を集めて、他人の結論をまとめた。それから、美学と推理の角度から、京極夏彦の妖怪推理小説の特徴を分析した。本論文は「魍魎の匣」を中心に京極夏彦の妖怪推理小説の特徴を分析したから、「魍魎の匣」の内容も具体的に紹介した。

第二章は美学の角度から分析して、この小説は不完全の美を体現している。加菜子は事故で手足を切断されたが、もっと美しくなるとされている。西洋神話の女神ビナースも両腕がない。たくさんの人はビーナスに両腕をデザインしたが、なかなかうまくいかない。両腕がないビーナスは一番美しいと言ってもよい。このような美意識が体現されている。それに、崩壊した美は存在する価値がないという美意識も表れている。頼子と加菜子は、月光を浴びると青春を保つことができると信じいていた；頼子は、老いて行く母を憎んで死んでほしいと思っていた；頼子は、加菜子の項にニキビがあるので、加菜子の美を留まるために、加菜子を駅から押した。このような狂い行為は、永遠の美に対する追求も表れている。

第三章は推理の角度から言えば、「魍魎の匣」は妖怪と推理を結び、民俗学や論理学など多様な角度から妖怪の形成を説明した。そして、物語の中で、京極堂は憑物を退治することで事件の真相を明らかにする。それに、事件の捜査を助ける榎木津礼二郎が人の心を見抜く超能力を持つということは、ノックス十戒と対立した。小説に出た殺人動機がないという犯罪論も、主流の推理の思想とは対立した。

キーワード：京極夏彦　　妖怪推理    美学  　ノックス十誡　　「魍魎の匣」