『陰翳礼讃』から見られる日本の美―陰翳の美を中心に　[日语论文]

要旨

小論は主にテクスト分析によって、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』に見られる伝統的な日本の美を探求するものである。それによって、日本人の美意識を生み出す原因及び西洋文化への態度を思考し、大いに啓発された。『陰翳礼讃』は、谷崎潤一郎の代表的な評論作品で、関西に戻る後、日本の伝統的な文化に回帰する随筆である。

大学三年生の時、かつて『陰翳礼讃』の一部を精読のテキストとして、勉強したことがある。この本を読めば読むほど、谷崎潤一郎の現わした陰翳の美に深い興味を持つようになってきた。日本人の自然についての陰翳美の思想はどのように形成されたのか。谷崎潤一郎が持っている美意識はこの民族の美意識を代表することができるかどうか。日本の陰翳の美の具体的な表現の形式はどれらがある。日本の美をどのように捉えるべきか。そういうような問題意識を持ちながら、その裏に隠れている日本の美を究明したい。

本論文は先行研究に基づき、帰納、分析、総括という方法を使いながらテクスト分析を主にして、陰翳の美を中心にした谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』から見る、具体的表現方法及び日本の伝統的な美を探求するものである。

小論は主に三章からなっている。第一章では、谷崎潤一郎の生い立ちと『陰翳礼讃』の位置付けなどを紹介する。谷崎潤一郎は日本文壇における耽美派の代表的な小説家である。明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期までずと活動している。『陰翳礼讃』は谷崎潤一郎の創作生涯において、無視できない存在である。第二章では、『陰翳礼讃』に現れた陰翳の美に力点を置いて分析する。主に日本の和室内の自然の巧みさ、手工芸の濃淡の美、日本の伝統的な色彩の明暗の美という三つの面から『陰翳礼讃』に現れた陰翳の美を分析しながら論じてみる。このような独特の日本の美はちょうど日本文化の深層を体現して、伝統的な美に対する追求と崇拝を表した。第三章では、日本人の美意識とその陰翳の美が生じた原因について分析をする。また、日本近代の西洋文化への学ぶ歴史に触れた。それによって多くの思考を示唆する。

小論の分析などを通して、日本の伝統的な美学の核心、特に日本人の美意識及び西洋文化への思考をより一層把握することができる。また、これは中国の日本語学習者に日本の文化の伝統的な美と日本人の美意識を理解させることにも役立てれば幸いだと思う。

キーワード：谷崎潤一郎；『陰翳礼讃』；陰翳の美