巴金と藤村の『家』の相違点について—権利の為の闘争方法を中心に[日语论文]

要旨

巴金の『家』と島崎藤村の『家』は大体同じような時期の作品で、題名、主旨はほぼ同じであるが、結末は全く違う。巴金の『家』の場合、高老太爺のような旧家族、旧秩序を支持する人は人生の終焉を迎え、覚慧のような新青年は「家」から脱出し、明るい生活に向かった。一方、藤村の『家』は「屋外はまだ暗かった」をもって終わり、主人公たちはまだ光の道が見つからなかったことを暗示した。ここでは主人公の権利のための闘争方法の違いが大きな原因だと考えられる。また、権利のための闘争方法が違っている原因は、人として守るべき上下長幼の秩序や道徳、相続方法、作家の価値観などの相異であると思う。

本稿は、テキストの解釈と比較文学の平行研究の方法で、あらすじも含めて、主人公のセリフ、心境などで、両作品を対象として、主人公の権利のための闘争方法の共通点と相違点及びその背景にある原因、例えば上下長幼の秩序や道徳、相続方法、作家の価値理念などを検討するつもりである。

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