1．『過労死と日本の労働文化 (特集・病と文化)』　上畑 鉄之丞　教育と医学 2001年

日本の労働文化とは一定額以上の残業手当を支給しない慣習や、残業をしても申告することがためらわれるような企業風土、さらには労働者みずからが自発的にサービス残業を志願する雰囲気である。こうしたすべてのサービス残業が、日本の長時間労働の基盤であり、過労死を生み出しているといえるのである。上畑は、こうした過労死を生み出す日本の労働実態に焦点をあて、長時間労働と企業の対応、長時間労働の犠牲者、外国から見た日本の過労死などと日本人労働者の働き方を中心に述べている。

2．『過重労働とその健康障害：いわゆる過労死問題の現状と今後の課題について』　

宝珠山　務　産衛誌　2003年

「過労死」の定義と認定の変遷、新たな認定基準の定義、過重労働の健康障害の科学的根拠とその予防政策の意義および問題点、さらに、その解決に向けての産業保健専門職が果たすべき役割について述べている。

3．《日本企业的加班问题及其争议》

日本企業の社員は仕事に夢中になっているという点で世界に知られている。しかし、このイメージは企業の社員に対する残業の要求とつながっており、社員の本音ではないのだ。経済の不景気によって残業に関する問題もしきりに出てきており、厳重な矛盾を生み出している。作者は日本企業における普通に見られる残業の現象を説明し、長時間の残業からもたらした個人、家庭および社会問題を分析した。

4．《日本人的集团意识与过劳死现象》

日本企業の社員は仕事に夢中しているという点で世界に知られており、企業と集団の利益がすべてを超えていると認める人間である。その集団意識が戦後経済高速発展をもたらすとともに、生理的と精神的に重いストレスも連れてき、過労死という現象を生み出した。作者は、日本の地理要素から生まれた集団意識を分析し、そしてその意識による長時間労働から生じた過労死現象と主な原因を説明した。

5．《日本预防企业工人“过劳死”对策的启示》

日本社会、企業と国は過労死現象を防ぐために適応な対策を考えている。作者は日本社会で起こっている過労死現象を説明し、社会的と法律的な対策を挙げた。さらに日本の予防対策を通して、中国においても現れている過労死現象に関する啓示を述べている。