贈答というのは人と人のコミュニケーションに最も重要な方式である。日本においても、中国においても、贈答は人間の中にお互いの付き合い方として、古くから今までずっと伝わってきた。日本の贈答文化および中日贈答文化の違いについての資料がたくさんある。研究者は贈答の源、贈答の選択、贈答時のあいさつ、日本人の和意識などの課題によく取り組んでいる。

（一）張継彤の《日本日常商务礼仪文化》

主な内容：人に贈り物をするのは感謝、喜び、好意、お詫びなどの気持ちが表せる。相手の心証を悪くしないように、贈り物をする時は｢いつ｣、｢だれに｣、｢何の目的で贈るか｣などを考え、相手の好み、年齢、家族構成、生活様式などに合ったものを選ぶことが大切だ。また、贈り物をしたからといって、仕事をもらえたり、自分が有利になるかどうかを期待すべきではないであろう。自分の心から素直な気持ちが伝えられることが大切である。本書は贈答について｢贈る側のエチケット｣、｢受け取る側のエチッケと｣、｢中元、歳暮｣、｢そのほかのお祝いの贈り方｣という形で構成されている。これらの部分の内容はよい参考になると思っている。

（二）武心波の《当代日本社会与文化》

日本贈答習慣はある意味からみると日本文化の代表だ。コミュニケーションの掛け橋と言われている贈答は日常生活において、かなり重要な役割を果たしている。贈答は個人の付き合いとして大切な意味を持っているだけでなく、異文化コミュニケーションの中にも肝心な意味があると考えられる。武心波の《当代日本社会与文化》は日本の社会と文化を研究していて、各方面から日本を詳しく紹介した。日本人にも中国人にも｢縁起｣のことをよく重視している。この本は贈り物の中身にかかわる縁起と禁忌を紹介してくれた。たとえば、日本人は数字に敏感だ、日本では、四と九は｢死｣と｢苦｣とつながるから、贈答には使わない。この本から、日本の贈答習慣が分かるようになった。

（三）金两基の《面具下的日本人》

日本人はよく本音を隠して建前を言うだけだ。「和」文化を中心とする日本人は集団意識を大切にしている。彼らは仲間はずれされるのを怖がっているようだ。自分の所属集団に捨てられるのは日本人にとってきわめてかわいそうなことである。従って、和やかな雰囲気を守りたいために、いくらいやな感じがしても、表に微かな微笑みが浮かぶ。日本人はいつも贈り物のやりとりを通して集団の平和を保つ。日本人の行為が分かったからといって、付き合う時全然だめだ。素直な話し方で相手との仲がギクシャクになるかもしれないが、やはり真実の自分をするのが一番いいと思っている。金两基の書いた《面具下的日本人》という本は詳しく当代の日本人の矛盾な心理を分析した。

（四）姜春枝の《日本国概況》

主な内容：日本人は贈り物が好きな国民だと言われる。結婚祝いや誕生日祝いといった他の国にもある贈り物はもちろん、ちょっとした訪問にも手土産を持参して、敬意や好意を表すというのが、日本的な習慣になっている。日本では取材の際に若干の金品を贈ることは珍しくないが、アメリカでは、政府の高官、補佐官などは、いかなるプレゼントも黙って受け取ることは禁じられている。アレン事件は、そうした贈り物に対する日米の習慣の違いを象徴するものと言えるであろう。日本人はどんな場所でも見られている。だから、贈答文化は他の国と違ってすでに日本独特文化の一部分になった。

（五）ルース・ベネデイクトの《菊与刀》

人類学家ルース・ベネデイクトの《菊与刀》という本は日本研究の名著である。著者は西方と日本の道徳的な体系、行為の規範、考え方を比較して、二者の違いを強調していた。｢万分の一の恩返し｣から見られて、日本の社会で、恩返しが不可欠な一部分であって、人から受けた恩の恩返しが義務と見なす。つまり、「恩」は負債であって返済しなければならない。贈り物をやりとりするのは多かれ少なかれ恩返しの意味を含んでいる。この本の最も重要な貢献は｢恥の文化｣の概念を提出したことである。西洋文化の中で、キリスト教の思想の影響のため、人々が間違いを犯する時内心に罪の悪意があって、人々はよく懺悔・贖罪などの方法を通じてしばらく心の罪の負担を軽減することができる。それに対し、日本人が罪を犯して他人の批判を受けばただ恥を感じる。この恥は自分の心から出る罪の自覚ではなく、他人の目の気がかりに対して来るの外面的強制力である。この本は日本文化に深く根付いた日本人の二面性と矛盾性を紹介した。

日本社会では、贈り物のやりとりは人間のコミュニケーションにとって不可欠なことである。資料はまだまだあるのだが、五冊だけについては読んだ後の理解である。贈答研究は面白くて、深く進んでいきたい。これは日本語を勉強している学生の筆者にとって深く研究意味があると思う。