1、『日本語の動物に関する諺とその中国語訳文への検討-「猫、馬、犬、虎」を中心に-』 相卓 大连理工大学 2007年
相卓は、この論文で、用例の多い動物のランクを参照した上で、日常生活でよく見られる動物―猫、馬、犬を選び出し、猫とよく連想される虎も研究対象に入れている。
しかし、諺にはどの国にも時代性、地域性の制約があり、方言や民族の違いの影響もあるため、諺の解訳、使われ方は必ずしも同じではない。そこで、本論文は、日本語の動物に関する諺とその中国語との対照研究を通し、日中両国の人間の動物に対する意識の違いおよびその原因を明らかにする上で、日中両国の考え方や価値観の異同にも言及し、日本語の動物に関する諺を中国に訳すときの傾向や注意点、日本語学習者へのアドバイスをまとめている。
相卓が説明の中で、一番印象に残っているのは「猫」に関する部分だ。日本語の「猫」に関する諺とその中国語訳文の一番大きな違いは、猫の性質、特徴による諺の数であることが分かる。つまり、日本人は動物を尊敬し、動物の特徴、性質から擬人法を使い、諺がつくるが、中国人は人間の考え方を中心にしており、動物に関する諺といっても、あくまでも、直接に人間の行為、人間の考え方による諺がほとんどだと思う。
2、『動物を含むことわざ及びその文化の意味の中日対照研究』 何嬌 上海外国語大学 2010年
何嬌は、中日両国の動物に関することわざを研究対象に、対照研究をした。この論文は中日両国の動物に関することわざによく登場する犬、馬、猫を選んで、そのイメージの分析を通して、動物に関することわざの持つ言語的、文化的、社会的、歴史的な内包を明らかにしている。
「猫」の部分では、辞書に収録されている猫に関することわざ(中国40個、日本47個)から、日本語のことわざと中国語のことわざの意味的な格差が大きいものと共通性のあるものを抽出し、それを研究対象にしている。
この論文は中日のことわざによく使われる「犬、猫、馬」という三つの動物に関することわざを例として、動物の文化象徴表現を深く分析して、その異同から中日言語の文化の特徴を探っている。そして、動物のイメージの分析を基にして、中日両国の生活環境、歴史的な背景という二つの面から、中日のことわざの中の文化の背景をより深く探している。
3、『「猫」に関する日韓ことわざの比較研究』 朴卿 法政大学大学院紀要 2010年
朴卿は、ことわざや人間と動物の関わりに関する代表的な先行研究を整理・紹介し、その成果を踏まえた上で、猫に関することわざを整理・比較する作業を行っている。
猫に関することわざに表れた猫のイメージを比較した結果、日本特有のことわざには「化け猫」をはじめとして「猫と女」や「猫の恋」に表徴されていた。他方、韓国特有のことわざは「泥棒猫」をはじめとし、鼠を捕らぬ猫や「憎らしい猫」に表徴されている。日韓両国における猫の表徴は、ことわざからの分析を踏まえ、猫を素材にした古典や猫に関する昔話をも含めて比較考察して、始めてその全体像が見えるだろう。さらに、近代文学における猫の表徴まで考え合わせれば、時代の変化と猫の表徴の変遷の関係が見えてくれると思われる。
4、《日本文化中的猫情结及其文化折射》 张秀华 解放军外国语学院学报 2004年
張秀華はその作品で、猫が日本文学の中の地位から「猫文化」まで説明して、そして「猫文化」の形成について説明している。張は「猫文化」から、日本文化の極魅力の一面を表す。それと同時に、文化の屈折で形成していた語彙の変化と語源を研究して、その結果を日本民族のユニークな感情とユーモアによって、生き生きとした方法で物事を表現している特徴を示す。中国人と違って、日本人は日常生活で猫に関することわざとか、単語とか使われていると思う。
5、《日语谚语中的「猫」》 王秀娟 外语学刊 2009年
王秀娟は、『日本語の諺の中の「猫」』には、いろいろな「猫」に関することわざを説明して、それによって、私たちに「猫」についてのことわざを普及しているを思う。
6、《有关动物惯用语的中日对比-关于“狗(犬)”和“猫”-》 程放明 日语学习与研究 1988年
この論文は、中日両国についての「犬」「猫」に関することわざを説明して、中日両国の意識と観念の違いを現す。
「猫」の部分、中国では、「猫」に関することわざは猫の一般的な性格や特徴を基に形成してきており、特に、鼠に関するものが多い。だが、日本では、それを除外して、猫の生態に関する表現が多い。それは中日両国の歴史、文化、特に民俗の変化だからと思う。国と国とのことわざを比較すると、民族性と地域性の違いがはっきり分かれる。だから、ことわざの対照研究は社会文化の研究に役に立つとしている。