どうしてもふわりと浮き上らなければ水を呑ませられてしまうのです_日语外文翻译
编 辑:日语论文网发布时间:2018-10-23

译文:

人们把没有海风的吹动却也能涌上岸的海浪称为土用波,每到土用波出现的时候,来享受海水浴的城里人也都渐渐关了别墅,回城里去了。在这之前,无论沙滩还是海里,从早到晚都挤满了人。在沙丘上看着这群乌泱泱的人都觉得不可思议,他们都是从哪里冒出来的呢?可是在这九月后的第三天的日子里,一望无际的沙滩竟然连一个人影都没有了。

我和妹妹还有朋友M有些舍不得就想去泡海水浴,外婆说海浪要开始大起来了,就不要去了。但是这么好的天气,又没风,没事的,说完我们就出门了。

正好正午过一点,天气好得很,天上连朵云都没有。即便白天,草丛里的虫子都已经开始鸣叫了。但是沙子还是太烫了,赤脚的时候就不得不顺着草跑上去。M头顶着毛巾,飞快地跑了过去,我就拉着戴着麦秸帽的妹妹的手跟着后面跑。为了能快点到海里去,我们三个急急忙忙跑得直喘气。

也叫纡波吧,它拍打着。不是那种小浪啪嗒啪嗒地打在岸上,而是形成细长小山一样的浪从海面上朝着岸边慢慢涌过来,不久,那个山头就变得尖尖的,哗地一声巨响一下就崩塌了。隔了一会儿后面的海浪又像小山似得涌过来。拍在岸上的海浪又拼命地往上漫,这时沙滩上就像是铺满了白色泡沫儿。我们三个看了之后觉得有些害怕了,但是难得来了,怎么也不愿意就这样折回家。于是,让妹妹把帽子脱了放沙滩上,把衣服啊毛巾全都揉成团塞里面,然后我们三就手拉着手奔向海里去了。

“这推力也太强了吧!”M这样说道,真的是这样啊,推力是海水退回海里时候的力量。我们都觉得这天的推力太强了,即使站在差不多水齐脚踝的地方,海水退去的时候简直就像湍急的河流,不断地刨脚底的沙子,一不留神就能被它推倒。看着海水退潮,眼镜也跟着晃了起来。尽管如此,我们还是觉得好玩得不得了。把脚跟深陷下去一样,沙子被刨开,脚就慢慢地陷进去,真的是没有比这更有趣的了。三个人就拉着手向稍微深点儿的地方走,面朝大海站的话,就弯曲膝盖,朝着岸边站的话,水就会砸到胫骨,有些疼。双脚摆好笔直地站着看谁都没有倒下就是赢了,或者一只脚站着不动,三个人像人鱼一样欢蹦乱跳得觉得特别有趣。

不一会儿,M就去到了水齐膝盖的地方,纡波一来M就得踮起脚,看起来也挺好玩的样子,我们就慢慢向深处里走。于是我们在没有滔滔大浪的时候走到了水能漫腰的位置。这么深的话,海浪一来只能站着,追不上它。如果不轻轻浮着的话,就会被海水给吞没掉。


原文:

土用波という高い波が風もないのに海岸に打ち寄せる頃になると、海水浴に来ている都の人たちも段々別荘をしめて帰ってゆくようになります。今までは海岸の砂の上にも水の中にも、朝から晩まで、沢山の人が集って来て、砂山からでも見ていると、あんなに大勢な人間が一たい何所から出て来たのだろうと不思議に思えるほどですが、九月にはいってから三日目になるその日には、見わたすかぎり砂浜の何所にも人っ子一人いませんでした。

私の友達のMと私と妹とはお名残だといって海水浴にゆくことにしました。お婆様が波が荒くなって来るから行かない方がよくはないかと仰有ったのですけれども、こんなにお天気はいいし、風はなしするから大丈夫だといって仰有ることを聞かずに出かけました。

丁度昼少し過ぎで、上天気で、空には雲一つありませんでした。昼間でも草の中にはもう虫の音がしていましたが、それでも砂は熱くって、裸足だと時々草の上に駈け上らなければいられないほどでした。Mはタオルを頭からかぶってどんどん飛んで行きました。私は麦稈帽子を被った妹の手を引いてあとから駈けました。少しでも早く海の中につかりたいので三人は気息を切って急いだのです。

紆波といいますね、その波がうっていました。ちゃぷりちゃぷりと小さな波が波打際でくだけるのではなく、少し沖の方に細長い小山のような波が出来て、それが陸の方を向いて段々押寄せて来ると、やがてその小山のてっぺんが尖って来て、ざぶりと大きな音をたてて一度に崩れかかるのです。そうすると暫らく間をおいてまたあとの波が小山のように打寄せて来ます。そして崩れた波はひどい勢いで砂の上に這い上って、そこら中を白い泡で敷きつめたようにしてしまうのです。三人はそうした波の様子を見ると少し気味悪くも思いました。けれども折角そこまで来ていながら、そのまま引返すのはどうしてもいやでした。で、妹に帽子を脱がせて、それを砂の上に仰向けにおいて、衣物やタオルをその中に丸めこむと私たち三人は手をつなぎ合せて水の中にはいってゆきました。

「ひきがしどいね」とMがいいました。本当にその通りでした。ひきとは水が沖の方に退いて行く時の力のことです。それがその日は大変強いように私たちは思ったのです。踝くらいまでより水の来ない所に立っていても、その水が退いてゆく時にはまるで急な河の流れのようで、足の下の砂がどんどん掘れるものですから、うっかりしていると倒れそうになる位でした。その水の沖の方に動くのを見ていると眼がふらふらしました。けれどもそれが私たちには面白くってならなかったのです。足の裏をくすむるように砂が掘れて足がどんどん深く埋まってゆくのがこの上なく面白かったのです。三人は手をつないだまま少しずつ深い方にはいってゆきました。沖の方を向いて立っていると、膝の所で足がくの字に曲りそうになります。陸の方を向いていると向脛にあたる水が痛い位でした。両足を揃えて真直に立ったままどっちにも倒れないのを勝にして見たり、片足で立ちっこをして見たりして、三人は面白がって人魚のように跳ね廻りました。

その中にMが膝位の深さの所まで行って見ました。そうすると紆波が来る度ごとにMは脊延びをしなければならないほどでした。それがまた面白そうなので私たちも段々深味に進んでゆきました。そして私たちはとうとう波のない時には腰位まで水につかるほどの深味に出てしまいました。そこまで行くと波が来たらただ立っていたままでは追付きません。どうしてもふわりと浮き上らなければ水を呑ませられてしまうのです。


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