彼はその真暗な奥の方へとっとと歩いて行った_日语外文翻译
编 辑:日语论文网发布时间:2018-10-21

译文:

那年秋天,在令人焦躁的光线中,乌云炸裂。彼时正值傍晚,带着无法平静的心情,他陪妻子穿过医院的大门。穿过二楼走廊,转了个弯,走廊的尽头就到了一号病房。从这个房间的窗户向外望去,可以看到远处的稻田和人家。在房间的角落,似乎是之前在这住的人遗留下的又大又旧的钱包。把房间环顾一周后,妻子就立刻躺在了床上。那种好似回到初次让自己平静的地方一样的舒适感,以及那种想要打倒即将面临残酷试炼的纯真感,突然在瘦骨嶙峋的妻子的身体中赋予了其生命。但是,只有他像被抛弃一样,独留自己一人,天黑了便无精打采地一个人回到家中。

从那时开始,他就每天奔走于家和医院之间。如若第二天要去学校上班,他在休息日的中午去医院看望妻子。但是有时从学校下班也会直接赶去医院。在小巷幸运地发现了一个电炉,把它装在病房,还可以煮红茶。摆放在床边的小橱柜上,旁边还放着苹果和黄油。不知不觉,这个病房竟变成了适宜居住的地方。

雨连续下了几天。学校简陋的走廊甚至窗户都湿透透的,半天才能等来的电车也深受其害,向车窗外望去,雾蒙蒙一片,田野和海都失去了原有的色彩。但是,耸立在高台上的,那宛如庞然大物的医院的楼房,正用那坚固的墙壁与俨然整齐的窗户把外界的雨完全遮挡住了。

妻子问道:“你从家到学校的路远,还是到医院的路远呢?”他回答:“都差不多啦。”“啊,这么久以来你都要走这么远的路程啊。”妻子好像初次知道他这两年来奔波的路程一样,露出惊讶的表情。关于这段路的事情,一直卧病在床的妻子其实之前也说过好几次,对于他来说也已经习惯了,并没有感觉到这么远的路程有多么的痛苦。妻子一副还想询问更多事情的样子,自己不在的日子里,家中各种琐碎细小的事情都不断浮现在眼前。但是,他一边看着妻子刨根问底的模样,一边左思右想,想的都是些不着边际的事情。聊着聊着时间就过去了,不久就到了傍晚,也到了要离开的时候了,他感觉到了一种无声的喧哗在催促着自己。窗外,雨绝望般地越下越大。

“坐公交车回去吧,我这儿有公交车的时刻表,你再陪我一会行吗?”妻子挽留着想要冒雨走回去的他。

往返于停车场和医院的公交车站,车站就在医院门口。两个抱着公文包的年轻医生,坐在了他的旁边。雨像洗车似得从车顶流下,窗户的缝隙中不停吹进雨滴。“雨下得真大啊,今年是雨年吧。”他们蜷缩着身子互相交谈着。终于,公交车发动了,摇晃地行驶在黑暗的坡道上。

公交车停在银行边,他沿着湿透的道路向电车车站走去。被雨淋透的人们无精打采地站在站台等车。他在下一站下了车,小路上一点亮光都没有,他快速地向着黑暗的深渊走去。


原文:

その年の秋も、いらだたしい光線のなかに雨雲が引裂かれていた。そうした、ある落着かない気分の夕刻近く、彼は妻に附添ってその大きな病院の門をくぐった。二階の廊下をいく曲りして静かな廊下に出たところに一号室があった。その部屋の窓からは、遙かに稲田や人家が展望された。前にいた人が残して行ったらしい大きな古びた財布が片隅にあった。一わたり部屋を見まわすと、すぐに妻はベッドに臥さった。はじめて落着く場所にかえったような安らかさと、これから始ろうとする試煉にうち克とうとする初々しさが、痩せた妻の身振りのなかにぱっと呼吸づいていた。だが、彼はひとり置去りにされたように、とぼとぼと日が暮れて家に戻って来たのだった。

この時から、二つにたち割られた場所のなかで、彼の逍遥がはじまった。隔日に学校へ通勤している彼は、休みの日を午後から病院へ出掛けて行くのだったが、どうかすると、学校の帰りをそのまま立寄ることもあった。巷で運よく見つけた電熱器を病室の片隅に取つけると、それで紅茶も沸かせた。ベッド脇に据えつけられている小さな戸棚には、林檎やバタがあった。いつのまにか、そこは居心地のいい場所になっていたのだ。

いく日も雨が降りつづいた。粗末な学校の廊下も窓もびっしりと湿り、稀れにしかやって来ない電車は、これも雨に痛めつけられていたし、電車の窓の外に見える野づらや海も茫として色彩を失っていた。だが、高台の上に立つ、大きな病院の建物は、牢固な壁や整った窓が下界の雨をすっかり遮っていた。

「あなたが学校まで歩いてゆく路と、家からこの病院まで来る道とどちらが遠いの」と妻はたずねた。「同じ位だね」と彼がこたえると「まあ、そんなに遠い路をこれまで歩いていたのですか」と妻は彼がこの二年間通っていた路の長さがはじめて分ったような顔つきであった。その路の話なら、これまで寝ている妻に何度も語っていたし、彼にとってはもう慣れていて左程苦痛ではなかった。妻はもっといろんなことを訊ねたいような顔つきで、留守にした家のこまごました事柄が絶えず眼さきにちらついているようであった。だが、彼はそうした妻の顔を眺めながら、つきつめた想いで、何かはてしないものを考えていた。いつも二人は相対したまま、相手のなかに把えどころのない解答を求めあっているのであった。そうして時間はすぐに過ぎて行った。夕ぐれが近づいて、立去る時刻が迫ると、彼は静かなざわめきに急き立てられるような気がした。窓の外に雨はまだ絶望的に降りつのっていた。

「バスでお帰りなさい、バスの時間表がここにあるから、も少し待っていればいいでしょう」と妻は雨に濡れて行こうとする彼をひき留めた。

停車場とその病院の間を往来するバスが、病院の玄関に横づけにされた。すると、折鞄を抱えた若い医師が二人、彼の座席のすぐ側に乗込んで腰を下ろした。雨はバスの屋根を洗うように流れ、窓の隙間からしぶきが吹込んだ。「よく降りますね、今年は雨の豊年でしょうか」と医師たちは身を縮めて話し合っていた。やがて、バスは揺れて、真暗な坂路を走って行った。

銀行の角でバスを降りると、彼はずぶ濡れの鋪道を電車駅の方へ歩いた。雨に痛めつけられた人々がホームにぼんやり立並んでいた。次の停留場で電車を降りると、袋路の方は真暗であった。彼はその真暗な奥の方へとっとと歩いて行った。


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