二人は晴やかに笑った_日语外文翻译
编 辑:日语论文网发布时间:2018-10-19

译文:

加奈江从外套中取出围巾围在脖子上,不停地用围巾捂住眼睛和鼻子,生怕风沙吹进去,但是想想又害怕在那个间隙与堂岛擦肩而过,就马上取下围巾左顾右盼焦急地观察着。今晚也拜托明子在新桥方向那条路上多走两遍找找看了。

 “已经十天了,我都烦透了。”

加奈江叹了口气坦白了内心深处的想法,明子也说出憋在心里的话。

 “最近眼睛看花了,一直盯着来来往往的人群,回家睡觉的时候感觉天花板都是歪的,我都想吐了。”

 “对不起呀。”

“没有啊,我觉得习惯些了。”

两人朝南走着,不知不觉来到了银座七丁目的横丁。这时停车场后方一台出租车刚好起步。看到车里的乘客侧脸,眼前一亮,那个人特别像堂岛。她们伸长了手也够不着车尾,像游泳似的追在车后。透过后玻璃窗勉强能看到乘客戴的帽子。

之后两人只好继续走在银座的夜幕中,毫无希望地找着堂岛。在这些人中找出堂岛这件麻烦事,让加奈江和明子心身俱疲。

 “年末那么忙,你大晚上都不在家帮帮忙的。”

加奈江和明子的妈妈纷纷抱怨着。

加奈江和明子想起来到现在还没跟妈妈说这件事。但如果坦白为了报仇才去银座找堂岛的话,肯定要被关禁闭。

加奈江和明子保持沉默。“一年里也就这段时间忍忍待在家里吧。”两人没办法只好放弃,准备迎接新年。来年定要找到堂岛加倍奉还——下定决心之后心里尽是不同寻常的滋味。

总算到一月了,三号晚上明子也没来。加奈江独自苦笑着想,本来就是自己的事,应该先请对方帮忙才是啊。

刚好是新年,就去拜访一下没去过几次的明子家吧。加奈江精心打扮,穿上很难穿的裙状和服,再拿金色带子系在胸前。一番盛装打扮之后,短暂的轻松了一阵子,紧接着心里又充满了对冒险的期待,除了莫名兴奋和呼吸困难之外还有一月里难得的温暖的夜。

到了青山明子家,明子也急急忙忙换了华丽的和服,乘上去银座的公交车。

“现在才一月,我在想你这么仓促干什么呢。而且现在松之内的店铺都提前打烊了,他应该不怎么会去喝酒了吧。”

明子解释到。

 “我想也是,正月里早早就把你带到这种地方。今天就悠闲地逛逛,要不要去SUEHIRO或者奥林匹克店吃个厚切牛排?”

加奈江的想法和出门的时候稍有变化。

“恩恩这样也挺好。和服和牛排好像不太配哦。”

两人开心的笑了。

银座马路上已经有店打烊了。而且她们也不去夜店,只好远远地观察对面的人群。加奈江她们先从尾张町出发,不一会儿就到了银座七丁目的桥上。心情十分沮丧。


原文:

加奈江は首にまいたスカーフを外套の中から掴み出して、絶えず眼鼻を塞いで埃を防いだが、その隙に堂島とすれ違ってしまえばそれっきりだと思い直し、直ぐにスカーフをはずして前後左右を急いで観察する。今夜も明子に来て貰って銀座を新橋の方から表通りを歩いて裏通りへと廻って行った。

「十日も通うと少し飽き飽きして来るのねえ」

 加奈江がつくづく感じたことを溜息と一緒に打ち明けたので、明子も自分からは差控えていたことを話した。

「私このごろ眼がまわるのよ。ずっと、雑踏する人の顔をいちいち覗いて歩いているでしょう。家へ帰って寝るとき天井が傾いて見えたりして吐気がするときもある」

「済みませんわね」

「いえ、そのうちに慣れると思ってる」

二人はずんずん南へ歩いて銀座七丁目の横丁まで来た。その時、駐車場の後ろの方にあった一台のタクシーが動き出した。その中の乗客の横顔が二人の眼をひかずにはいられなかった。どうも堂島らしかった。二人は泳ぐように手を前へ出してその車の後を追ったが、バックグラスに透けて見えたのは、乗客のわずかなソフト帽だけだった。

それから二人は再び堂島探しに望みをつないで暮れの銀座の夜を縫って歩いた。それらの人を分けて堂島を探す加奈江と明子は反発のようなものを心身に受けて、余計に疲れを感じた。

「歳の瀬の忙しいときなのに、夜ぐらいは家にいて手伝ってくれてもいいのに」

 加奈江の母親も明子の母親も愚痴を零した。

 加奈江も明子も、まだあの事件を母親に打ちあけてないことを今更、気づいた。しかしその復讐のために堂島を探して銀座に出るなどと話したら、足止めを食うに決まっている

――加奈江も明子も口に出さなかった。そのかわり「年内、その間だけ我慢して家にいましょう」二人は仕方ないと諦めて、新年を迎える準備に勤しんだ。来るべき新年は堂島を見つけて、出来るだけの仕返しをしてやる――そういう覚悟が加わり、いつになく気持ちが張り続けていた。

いよいよ正月になったが、三日の晩になっても明子は来なかった。加奈江は、自分の事件だから本当は自分の方から誘うべきであった、と気づいて独りで苦笑した。


新年でもあり、まだ二、三回しか訪れたことのない明子の家へ行くにあたり、加奈江は入念にお化粧して、余り手も通さなかった裾模様の着物を着て金模様のある帯を胸高に締めた。盛装と、一旦途切れて気がゆるんだ後の冒険の期待とで、妙に興奮して息苦しかった外は一月にしては珍らしくほの暖かい晩であった。

 青山の明子の家に着くと、明子も急いで和服の盛装に着替えて銀座行きのバスに乗った。

「わたし、正月早々からあんたを急き立てるのはどうかと思って。それに松の内は銀座は早仕舞いで、酒飲みなんかあまり出掛けないと思ったもんだから」

 明子は言い訳をした。

「わたしもそうよ。正月早々からあんたをこんなことに引っ張り出してもね。今日はゆったりした気持ちで歩いて、スエヒロかオリンピックで厚いビフテキでも食べない?」

 加奈江は家を出たときとは少し、心構えが変っていた。

「まあまあそれもいいねえ。裾模様にビフテキは少しあわないけれど」

二人は晴やかに笑った。

 銀座通りは既に店を閉めているところもあった。それに夜店が出ていないので、向う側の人まで見通せた。加奈江たちはまず尾張町から歩き出したが、瞬く間に銀座七丁目の橋のところまで来てしまった。拍子抜けした気持ちだった。


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